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2026.10.19NEW
アルミ材質の選び方完全ガイド|A1050・A5052・A6061など6種類の特徴と用途を比較
アルミ材質の選び方完全ガイド|A1050・A5052・A6061など6種類の特徴と用途を比較
「アルミ部品を作りたいけれど、どの材質を選べばいい?」
「A5052とA6061では何が違う?」
「強度が必要ならA7075を選ぶべき?」
「加工しやすく、コストも抑えられるアルミ材質は?」
アルミ部品の設計や製造では、こうした材質選定の悩みが発生することがあります。
アルミニウムは軽量で加工性に優れた金属ですが、すべてのアルミ材質が同じ性能を持っているわけではありません。
材質によって、強度・耐食性・成形性・切削性・溶接性などが異なります。
そのため、材質選定を誤ると、強度不足や加工不良、製造コストの増加につながる可能性があります。
一方、製品の用途や加工方法に合った材質を選ぶことで、軽量化やコストダウン、量産性の改善につながることもあります。
アルミ材質選定で重要なのは、強度の高い材料を選ぶことではなく、製品に必要な性能と加工方法に合った材料を選ぶことです。
今回は、代表的な6種類のアルミ材質を比較しながら、設計・開発・購買担当者が知っておきたい材質選定のポイントを解説します。
1.アルミ材質にはどんな種類がある?
アルミニウムは、添加する元素によってさまざまな合金に分類されます。
一般的なアルミ展伸材には、1000系から7000系などの分類があり、それぞれ特徴が異なります。

このように、アルミ材質は一種類ではありません。
日本アルミニウム協会でも、合金の種類によって機械的性質や加工性、耐食性が異なるため、用途に応じた選定が重要とされています。
2.代表的な6種類のアルミ材質を比較
まずは、今回取り上げる6種類の特徴を整理しましょう。

※一般的な特徴をまとめたものです。実際の性能は調質や製品形態によって異なります。
重要なのは、「最も優れたアルミ材質」は存在しないということです。
高強度が必要な部品と、深く成形したい部品では、適した材質が異なります。

3.A1050|成形性・熱伝導性を重視する場合
A1050は、アルミニウム純度99.5%以上の純アルミニウム系材料です。
比較的柔らかく、成形性や耐食性、熱伝導性、電気伝導性に優れています。
そのため、放熱部品、電気部品、容器などで使用されています。
特に、複雑な成形や塑性加工を検討する場合には、候補となる材質の一つです。
一方で、強度は比較的低いため、大きな荷重を受ける構造部品には慎重な検討が必要です。
A1050は、高い強度よりも成形のしやすさや伝導性を重視する場合に検討したい材質です。
なお、実際の成形適性は調質や加工率などによって変わります。
4.A5052|耐食性と加工性のバランスが良い材質
A5052は、マグネシウムを主な添加元素とする5000系アルミ合金です。
耐食性が良好で、板金加工や曲げ加工、溶接を伴う部品に広く使用されています。
例えば、機械装置のカバー、ケース、板金部品などです。
A1050と比較すると、一般的には強度が高い傾向があります。
ただし、A5052にもH32やH34などの調質があり、強度や成形性は同じではありません。
曲げ加工を予定している場合は、材質だけでなく板厚・調質・曲げRを確認する必要があります。
A5052は、耐食性と実用的な強度、板金加工性をバランスよく求める部品に向いています。
詳しくは、今後公開予定の「A5052とA1050の違い」で解説します。
5.A6061|強度を重視する機械部品に
A6061は、マグネシウムとケイ素を含む6000系アルミ合金です。
熱処理によって強度を高められることが特徴で、特にA6061-T6は機械部品や構造部品で使用されています。
例えば、ブラケット、支持部品、精密切削部品などです。
A5052-H32とA6061-T6を比較すると、一般的にはA6061-T6の方が高い耐力を持ちます。
ただし、強度が高いからといって、すべての加工に適しているわけではありません。
A6061-T6は曲げ加工で割れが発生しやすい場合があり、溶接時には熱影響部の強度低下にも注意が必要です。
また、剛性不足を改善したい場合には、材質変更だけでなくリブや断面形状の見直しも必要です。
A6061は、強度と切削加工性を重視する機械部品で検討したい材質です。
関連記事:「A5052とA6061の違いを比較!」
6.A6063|押出加工や複雑な断面形状に
A6063も6000系のアルミ合金ですが、A6061とは得意分野が異なります。
A6063は押出加工性に優れ、アルミサッシやフレーム、各種形材などに使用されています。
押出加工では、金型を通して材料を押し出すことで、一定の断面形状を持つ長い部材を製作できます。
そのため、
・長尺のフレーム
・溝付き形材
・放熱フィンを持つ形材
・複雑な断面の構造部材
などに向いています。
A6061とA6063では、調質が同じT6でも機械的性質が異なります。
一般的にはA6061-T6の方が高い強度を持ちますが、押出加工性や製品形状を重視する場合にはA6063が適することがあります。
長尺で一定断面の部品を作る場合は、A6063を検討する価値があります。
詳しくは「A6061とA6063の違い」で解説予定です。
7.A2017|強度と切削性を求める場合
A2017は、銅を主な添加元素とする2000系アルミ合金です。
ジュラルミンとして知られ、比較的高い強度を持つことが特徴です。
機械部品やシャフト類など、強度が必要な用途で検討されます。
また、切削加工性にも特徴があります。
ただし、A5052やA6061などと比較すると、耐食性には注意が必要です。
使用環境によっては、防食対策や表面処理を検討する必要があります。
また、溶接を伴う製品では適用性を慎重に確認することが重要です。
A2017は、強度と切削加工性を重視する一方、耐食性や接合方法を十分に確認したい材質です。
8.A7075|高強度が必要な部品に
A7075は、亜鉛・マグネシウム・銅などを含む7000系アルミ合金です。
アルミ合金の中でも高い強度を得られる材質として知られています。
航空機部品や高強度が求められる機械部品などで使用されています。
特にA7075-T6などは、高い静的強度を必要とする用途で候補になります。
ただし、高強度である一方、耐食性や応力腐食割れ、溶接性、加工条件などに注意が必要です。
また、強度の高い材料を使用しても、部品の形状や応力集中によって破損する可能性があります。
A7075は、強度を最優先する場合の有力候補ですが、使用環境や製造方法まで含めて判断する必要があります。
A2017との詳しい比較は、今後公開予定の「A2017とA7075、どちらを選ぶ?」で紹介します。
9.アルミ材質の選び方|失敗しない5つのポイント
ここまで6種類のアルミ材質を紹介しましたが、実際の設計ではどのように選べばよいのでしょうか。
重要なのは、次の5つの条件を整理することです。
① 必要な強度・剛性を確認する
まず、部品にどの程度の荷重がかかるのかを確認します。
引張強さや耐力だけでなく、たわみ・振動・繰り返し荷重なども重要です。
高強度材を使用しても、形状によっては剛性不足が発生する場合があります。
② 使用環境と耐食性を確認する
屋内か屋外か、水分や塩分にさらされるか、薬品を使用するかなどを確認します。
耐食性に優れる材質でも、すべての環境で腐食しないわけではありません。
必要に応じてアルマイトや塗装などの表面処理も検討します。
③ 加工方法に適した材質を選ぶ
アルミ部品の製造方法には、切削加工・曲げ加工・押出加工・インパクト加工などがあります。
同じ材質でも、加工方法によって適性は異なります。
例えば、切削加工に適した材質が、深い絞り加工にも適しているとは限りません。
材質と加工方法は別々ではなく、同時に検討することが重要です。
④ 調質を確認する
アルミ材質を選ぶ際に見落としやすいのが、調質です。
例えば、A6061-T6とA6061-Oでは、強度や成形性が大きく異なります。
また、A5052-H32とA5052-Oでも特性は異なります。
図面に材質名だけを記載するのではなく、必要な性能に応じて調質まで指定することが大切です。
⑤ 材料費だけでなく総コストで比較する
アルミ部品の製造コストは、材料単価だけでは決まりません。
材料費に加えて、加工時間・工具費・金型費・表面処理費・組立費なども影響します。
そのため、材料価格が安くても、加工工程が複雑であれば完成品のコストが高くなる場合があります。
反対に、加工方法を変更することで材料使用量や工程数を減らせる可能性もあります。
10.用途別|おすすめのアルミ材質は?
材質選定の初期検討では、次の表が参考になります。

この表はあくまで初期検討の目安です。
実際には、必要な強度や使用環境、加工形状、生産数量などを確認して選定する必要があります。
11.インパクト加工では材質選定が特に重要
アルミ部品の材質選定では、昭和軽金属工業株式会社が得意とするインパクト加工も重要な選択肢です。
インパクト加工とは、アルミ素材を冷間で塑性変形させ、金型を使用して目的の形状に成形する加工方法です。
特に、薄肉の筒状部品や底付きケース、深さのある容器などで検討されます。
この加工方法では、材料の塑性変形能力が重要になります。
そのため、完成品に必要な強度だけでなく、加工前の材質・調質・成形性も考慮する必要があります。
また、冷間加工によって加工硬化が生じ、材質や加工条件によっては成形後の強度が高まる場合があります。
ただし、すべてのアルミ合金がインパクト加工に適しているわけではありません。
高強度材や加工硬化した材料では、成形が難しくなる場合もあります。
インパクト加工を検討する場合は、材質を先に固定するのではなく、製品形状・必要性能・生産数量をもとに加工会社へ相談することが重要です。
12.材質選定と加工方法を同時に見直すメリット
例えば、現在アルミブロックからケース部品を切削加工している場合を考えてみましょう。
材料を大きく削り取る加工では、製品形状によって材料ロスや加工時間が増えることがあります。
一方、インパクト加工などで完成形に近い形状を成形できれば、必要な部分だけを追加切削する方法も検討できます。
その結果、条件によっては、
・材料使用量の削減
・加工工程の短縮
・薄肉化・軽量化
・部品の一体化
・量産コストの改善
につながる可能性があります。
ただし、金型費や生産数量、要求精度によっては、切削加工の方が合理的な場合もあります。
「どのアルミ材質がよいか」だけでなく、「どの加工方法で作ると最適か」まで考えることが、コストダウンへの近道です。
13.アルミ材質選定でよくある質問
Q.アルミ材質で一番強いのはどれですか?
今回紹介した6種類では、A7075の高強度調質が有力候補です。
ただし、アルミ合金全体での順位や実際の強度は、合金・調質・製品形態によって異なります。
Q.A5052とA6061ではどちらがよいですか?
耐食性や曲げ加工を重視する場合はA5052、機械部品の強度や切削加工を重視する場合はA6061が候補になります。
ただし、用途や調質によって判断が変わります。
Q.材質を変更すれば加工コストは下がりますか?
必ずしも下がるわけではありません。
材料費だけでなく、加工方法・工程数・生産数量を含めて比較する必要があります。
Q.図面が完成していなくても材質の相談はできますか?
材質を確定する前に加工会社へ相談することで、加工方法に合った材料や形状を検討しやすくなります。
特に量産品では、設計初期から加工方法を考えることが重要です。
14.アルミ材質の選定なら昭和軽金属工業へご相談ください
アルミ材質には、それぞれ異なる特徴があります。
A1050は成形性や熱伝導性。
A5052は耐食性と板金加工性。
A6061は強度と切削加工性。
A6063は押出加工性。
A2017は強度と切削性。
A7075は高い強度。
しかし、実際の製品では、一つの性能だけで材質を決めることはできません。
必要な強度、耐食性、製品形状、加工方法、生産数量、コストなどを総合的に考える必要があります。
昭和軽金属工業株式会社では、アルミのインパクト加工をはじめ、製品の形状や数量に応じた加工方法をご相談いただけます。
「どのアルミ材質を選べばよいかわからない」
「現在の材質では強度が足りない」
「薄肉化・軽量化したい」
「切削加工以外の方法を検討したい」
「量産コストを見直したい」
このようなお悩みがあれば、ぜひご相談ください。
「このアルミ部品、どの材質で作るのが最適ですか?」
材質だけでなく、形状・加工方法・生産数量まで含めて見直すことで、より合理的な製品づくりにつながる可能性があります。
アルミ部品の材質選定や加工方法でお困りの際は、昭和軽金属工業株式会社へお気軽にお問い合わせください。
昭和軽金属工業株式会社 公式サイト
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監修者

- 取締役社長
中 保博
昭和軽金属はアルミの加工だけにとどまらないご相談を大切にしています。
設計通りに加工することは簡単です。
その背景にある、お客さまがアルミを加工したい目的はなにか、どのようなカタチで最終品として使われるのか、どうしたら便利に利用されるか。
アルミ加工+「X」を考えてお話することで、お客さまや消費者さまの「!」を生み出します。