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2026.10.16NEW

A5052とA6061の違いを比較!強度・加工性・耐食性からわかるアルミ材質の選び方

A5052とA6061の違いを比較!強度・加工性・耐食性からわかるアルミ材質の選び方

 

 

「アルミ部品を製作したいけれど、A5052とA6061のどちらを選べばいい?」

「強度が必要ならA6061?」

「耐食性や加工性はどちらが優れている?」

アルミ部品の設計・製造では、材質選定によって製品の性能や加工コストが変わることがあります。

中でもA5052とA6061は、アルミ部品の材料として比較されることの多い代表的な合金です。

どちらもアルミニウム合金ですが、成分や強化方法が異なるため、それぞれ得意とする用途があります。

結論からいうと、

A5052は耐食性や曲げ加工・板金加工を重視する部品に、A6061は強度や切削加工を重視する部品に向いている傾向があります。

ただし、最適な材質は製品形状や加工方法、使用環境によって異なります。

今回は、A5052とA6061の違いを比較しながら、アルミ部品の材質選定で確認したいポイントを解説します。

 

 

1.A5052とA6061の基本的な違い

 

A5052とA6061の大きな違いは、合金成分と強化方法です。

 

A5052とは?

アルミニウムにマグネシウムを主に添加した5000系アルミ合金です。

耐食性に優れ、曲げ加工や板金加工などに適しています。

また、溶接性も良好で、ケースやカバー、タンクなど幅広い用途で使用されています。

A5052は熱処理による析出硬化を利用する合金ではなく、主に加工硬化によって強度を調整します。

 

A6061とは?

マグネシウムとケイ素を主な添加元素とする6000系アルミ合金です。

熱処理によって強度を高められることが特徴で、特にA6061-T6は強度が必要な機械部品などに使用されます。

切削加工にも適しており、ブラケットや構造部品などに採用されることがあります。

ただし、T6材は曲げ加工の条件によって割れが発生しやすくなるため、注意が必要です。

 

 

2.A5052とA6061の性能比較表

 

代表的な調質であるA5052-H32とA6061-T6を比較すると、次のようになります。

比較項目

A5052-H32

A6061-T6

合金系統 5000系 6000系
主な添加元素 マグネシウム マグネシウム・ケイ素
引張強さの代表値 約230MPa 約310MPa
耐力の代表値 約190MPa 約275MPa
耐食性 非常に良好 良好
曲げ加工性 良好 T6では条件に注意
切削加工性 良好 特に良好
溶接性 良好 良好・熱影響部に注意
強化方法 加工硬化 熱処理による析出硬化

※数値は代表的な参考値です。実際の保証値は適用規格、調質、板厚、製品形態などによって異なります。

この比較から、

A6061-T6は静的な強度に優れ、A5052-H32は成形性や耐食性に特徴があることがわかります。

ただし、A6061でもT4など調質が異なれば強度は変わります。材質名だけで判断しないことが重要です。

 

 

3.強度を重視するならA6061?

アルミ部品に高い強度が必要な場合、A6061-T6は有力な選択肢です。

例えば、

・荷重がかかるブラケット

・機械装置の構造部品

・精密機器の支持部品

・切削加工による機械部品

などが考えられます。

 

ただし、ここで注意したいのが

強度と剛性の違いです。

A6061-T6はA5052-H32より高い耐力を持つ傾向がありますが、両者のヤング率には大きな差がありません。

そのため、A5052からA6061へ変更しても、同じ形状でのたわみが大幅に減るとは限りません。

剛性不足が問題になっている場合には、材質変更だけでなく、肉厚やリブ、断面形状の見直しも重要です。

 

 

4.耐食性を重視するならA5052?

A5052は耐食性に優れたアルミ合金として知られています。

特に水分や湿気にさらされる部品、屋外設備、船舶関連の部品などで検討されます。

一方、A6061も一般的な環境では良好な耐食性を持っています。

そのため、

「耐食性が必要なら必ずA5052」ではありません。

 

使用環境によってはA6061でも十分な性能を確保できる場合があります。

また、アルマイトなどの表面処理を組み合わせることで、要求性能に対応できる可能性もあります。

材質選定では、使用場所、湿度、水分、塩分、薬品への接触などを確認することが大切です。

 

 

5.曲げ加工・板金加工ならA5052が有利?

アルミ板を曲げたり、ケース形状に加工したりする場合には、A5052が選ばれることがあります。

A5052は比較的成形性が良く、板金加工に適した材料です。

一方、A6061-T6は強度が高い反面、曲げ加工では割れが発生しやすい場合があります。

特に小さな曲げRを指定する場合には注意が必要です。

ただし、A5052でも板厚や調質、曲げ方向、曲げRによって加工限界は変わります。

曲げ加工を予定している場合は、材質だけでなく調質と形状をセットで検討することが重要です。

 

 

6.切削加工ならA6061が向いている?

 

アルミブロックや丸棒から削り出す部品では、A6061が選ばれることがあります。

A6061-T6は切削加工性が良好で、機械部品や精密加工品に適しています。

一方、A5052も切削加工は可能ですが、材料の状態や加工条件によっては切りくず処理や仕上げ面に注意が必要です。

ただし、A6061を使用すれば必ず加工費が安くなるわけではありません。

実際の加工コストは、

加工形状、切削量、公差、工具、加工時間、生産数量

などによって変わります。

そのため、材質の加工性だけでなく、完成部品を作るための総コストで判断することが大切です。

 

 

7.溶接する場合はどちらがよい?

 

A5052とA6061は、どちらも適切な条件で溶接できるアルミ合金です。

ただし、注意したいのが溶接後の強度です。

特にA6061-T6では、溶接による熱影響によって、溶接部周辺の強度が母材より低下することがあります。

そのため、溶接を伴う構造部品では、母材の強度だけでなく溶接後の性能を確認する必要があります。

A5052でも、調質や溶接条件によって溶接部周辺の特性が変化します。

「溶接できるか」と「溶接後に必要な強度を確保できるか」は別の問題です。

 

 

8.A5052とA6061、価格が安いのはどちら?

 

購買担当者にとって、材料価格も重要な判断材料です。

しかし、A5052とA6061の価格は、材質だけでは一律に比較できません。

板材なのか、丸棒なのか。

どの厚み・寸法が必要なのか。

調質は何か。

購入数量はどれくらいか。

こうした条件によって材料価格や調達性が変わります。

さらに、製品のコストは材料費だけでは決まりません。

切削時間、材料歩留まり、工具費、表面処理費、加工工程数なども影響します。

材料単価ではなく、完成部品1個あたりの総コストで比較することが重要です。

 

 

9.インパクト加工を考えるなら材質選定はさらに重要

 

昭和軽金属工業株式会社が得意とする加工方法の一つに、アルミのインパクト加工があります。

インパクト加工は、アルミ素材を冷間で塑性変形させ、薄肉の筒状部品や底付き部品などを成形する方法です。

条件が合えば、切削加工に比べて材料ロスや加工工程を削減できる可能性があります。

ただし、

A5052やA6061であれば、どちらもそのままインパクト加工に適しているというわけではありません。

インパクト加工では、材質の成形性、調質、製品形状、肉厚、加工率などを総合的に検討する必要があります。

特にA6061-T6のように強度を高めた材料を、完成品の強度だけを理由に成形素材として選ぶことは適切ではありません。

材質や工程によっては、加工前後の調質や熱処理も含めた検討が必要です。

また、インパクト加工以外にも、絞り加工や切削加工などの選択肢があります。

つまり、

「A5052かA6061か」を決める前に、「どの加工方法で作るか」を考えることも重要です。

 

 

10.結局、A5052とA6061はどちらを選ぶべき?

 

材質選定で迷ったときは、次のように考えると判断しやすくなります。

重視する条件

検討したい材質

曲げ加工・板金加工 A5052
湿気・塩分への耐食性 A5052
高い静的強度 A6061-T6
切削加工性 A6061-T6
溶接を伴う製品 両方を比較し、溶接後の性能で判断
薄肉・深い一体成形 材質を限定せず工法から検討
コストダウン 材料費と加工費の総額で比較

 

このように、どちらが優れているかではなく、

製品に必要な性能と加工方法に合っているかが重要です。

 

 

11.アルミ部品の材質選定なら昭和軽金属工業へご相談ください

 

A5052とA6061は、どちらも幅広く使用されるアルミ合金ですが、それぞれ得意とする用途が異なります。

材質選定で重要なのは、

強度・耐食性・加工性・製品形状・生産数量をセットで考えることです。

例えば、

「A5052で設計しているが、強度が足りない」

「A6061を指定しているが、曲げ加工が難しい」

「もっと軽量化できないか」

「切削加工以外の方法でコストを下げたい」

「インパクト加工に適した材質を知りたい」

といったお悩みがあれば、加工方法を含めた見直しを検討する価値があります。

昭和軽金属工業株式会社では、アルミのインパクト加工をはじめ、製品形状や数量に応じた加工方法のご相談に対応しています。

図面が完成していない段階でも、用途や必要な性能、生産数量を整理することで、材質や加工方法の選択肢を検討しやすくなります。

 

 

「このアルミ部品、A5052とA6061のどちらが適していますか?」

 

材質選定に迷ったら、図面や製品の使用条件をもとに、昭和軽金属工業株式会社へご相談ください。

昭和軽金属工業株式会社

既存部品のコストダウン、新規部品の工法検討、量産を見据えた加工方法の選定など、お困りのことがございましたらお気軽にお問い合わせください。

 

【お問い合わせ】

監修者

  • 取締役社長

中 保博

昭和軽金属はアルミの加工だけにとどまらないご相談を大切にしています。
設計通りに加工することは簡単です。
その背景にある、お客さまがアルミを加工したい目的はなにか、どのようなカタチで最終品として使われるのか、どうしたら便利に利用されるか。
アルミ加工+「X」を考えてお話することで、お客さまや消費者さまの「!」を生み出します。