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2026.9.25NEW
アルミインパクト加工が向いている製品10選|薄肉・深絞り・量産部品の工法選びを解説
アルミインパクト加工が向いている製品10選
アルミ部品の加工方法を検討していると、
「この形状は切削加工で作るしかない」
「薄いアルミケースだから板金か絞り加工だろう」
「今までこの方法で作ってきたから、今回も同じ工法で」
と考えてしまうことはないでしょうか。
実は、アルミ製品の中には
インパクト加工へ工法を変更することで、材料ロスや加工工程を減らし、
量産時のコストダウンや軽量化につながる可能性がある製品があります。
特に、
薄肉である
深さがある
中空形状である
底と側面を一体化したい
同じ形状を量産する
といった製品は、アルミインパクト加工を検討する価値があります。
では、具体的にどのような製品が向いているのでしょうか。
今回は、アルミインパクト加工の特徴を簡単に確認しながら、
インパクト加工が向いている代表的な製品10選を紹介します。
そもそもアルミインパクト加工とは?
アルミインパクト加工とは、金型の中にアルミ素材をセットし、パンチによって瞬間的に大きな力を加え、材料を塑性流動させて目的の形状へ成形する加工方法です。
「インパクト押出し」「衝撃押出し」などと呼ばれることもあります。
切削加工が、
材料を削って形を作る
工法なのに対し、インパクト加工は、
材料を流動させて形を作る
という大きな違いがあります。
そのため、切削加工のように大量の切粉を出さず、完成品に必要な量に近い材料から成形できる場合があります。
また、薄肉で深さのある形状や、底面と側壁がつながったシームレスな形状を成形しやすいことも大きな特徴です。
では、こうした特徴が実際にどのような製品で活かせるのか見ていきましょう。

1.電池ケース・バッテリー関連部品
アルミインパクト加工と相性の良い製品の一つが、電池ケースやバッテリー関連のケース部品です。
電池ケースでは、
薄肉
軽量
深さがある
継ぎ目がない
量産性が求められる
といった条件が重なることがあります。
こうした形状は、インパクト加工が得意とする分野です。
例えば、厚いアルミ素材からケース内部を切削して作ると、多くの材料が切粉になります。
インパクト加工なら、必要量に近い素材を塑性変形させて筒状・ケース状に成形できるため、形状や条件が合えば材料歩留まりの改善が期待できます。
さらに、底面と側面を一体成形できれば、接合部を設けずに済む可能性があります。
電池・電源関連では軽量化も重要なため、薄肉化と量産性を両立したいケースでは検討したい工法です。
2.センサーカバー・センサーケース
次に挙げられるのが、センサーカバーやセンサーケースです。
自動車、産業機械、電子機器などには数多くのセンサーが使用され、それを保護するケースやカバーが必要になります。
センサーカバーには、
内部部品を保護する
できるだけ軽量にする
限られたスペースに収める
安定した寸法で量産する
といった要求があります。
インパクト加工では、薄肉の小型ケースを一体成形できるため、このような用途と相性があります。
また、必要に応じて成形後に穴加工や切削加工を加えることもできます。
つまり、
ケース全体はインパクト加工で成形し、高精度が必要な部分だけ切削する
という工法設計も可能です。
すべてを切削するのではなく、それぞれの工法が得意な部分を組み合わせることで、コストと品質のバランスを取りやすくなります。
3.電源ケース・電子機器の筐体
電源ケースや電子機器の筐体も、インパクト加工を検討したい製品です。
電子機器では、
軽量化
小型化
放熱性
強度
外観品質
など、複数の要求を満たす必要があります。
アルミは軽く、熱伝導性にも優れているため、電子機器のケース材料として広く利用されています。
さらにインパクト加工を使えば、薄肉で深さのあるケースを一体成形できる可能性があります。
設計によっては、ケース内側に縦方向の溝やビードを設け、その溝を基板などの位置決めに利用する方法も考えられます。
単に「外側を覆う箱」としてではなく、ケースそのものに機能を持たせる設計ができる点も、インパクト加工の面白いところです。
4.ヒーターカバー・電熱機器部品
ヒーターカバーや電熱機器用のアルミ部品も候補になります。
ヒーター関連部品では、
熱を伝えやすい
軽量である
一定の形状を安定して作れる
ケースやカバーとして機器を保護できる
ことが求められます。
アルミの特性とインパクト加工の薄肉成形を組み合わせることで、軽量なカバーを量産できる可能性があります。
特に円筒形や角型など、一定の断面を持ちながら深さがある形状は検討しやすいでしょう。
切削で中を大きく削っているヒーター関連部品があれば、**「本当にすべて削る必要があるのか」**を一度見直してみる価値があります。
5.アルミキャップ・蓋部品
比較的小型のアルミキャップや蓋部品も、インパクト加工に向いている製品の一つです。
キャップ類は1個あたりのサイズが小さくても、大量に生産するケースがあります。
そのため、1個あたりでは小さなコスト差でも、生産数量が数万個、数十万個となれば総コストへの影響が大きくなります。
インパクト加工では金型が必要になる一方、一度量産条件が整えば短時間で繰り返し成形できます。
また、継ぎ目のない外観を作りやすいため、機能部品だけでなく外観が重視されるキャップ類にも活用できます。
現在、丸棒などから大量に切削しているキャップがある場合は、材料歩留まりを含めて比較してみるとよいでしょう。
6.化粧品・日用品のアルミ容器
インパクト加工の特徴をイメージしやすい製品が、化粧品や日用品などのアルミ容器です。
こうした製品では、
薄い
軽い
深さがある
継ぎ目がない
外観が美しい
ことが求められます。
インパクト加工は金型によって成形するため、条件が整えば安定した表面品質を得やすい特徴があります。
そのため、
化粧品容器
チューブ状容器
小型アルミケース
日用品用容器
などにも活用されています。
特に「軽量なのに金属らしい高級感を出したい」という製品では、アルミという素材そのものの質感を活かせます。
さらにアルマイトなどの表面処理を組み合わせることで、外観性や耐食性を高めることもできます。
7.医療・理化学機器のケースやカバー
医療機器や理化学機器に使用するケース・カバー類も、インパクト加工が活かされる分野です。
こうした機器では、小型化や軽量化だけでなく、
寸法の安定性
表面品質
部品の一体化
内部機器の保護
などが求められます。
特に小型の薄肉ケースやカバーでは、インパクト加工によって完成形に近い形状まで成形し、必要な箇所だけ追加工する方法を検討できます。
ただし、医療用途では製品ごとに求められる規格や品質保証条件が異なります。
「医療機器だからインパクト加工が適している」ということではなく、
形状・材質・数量・精度・用途を総合して判断することが重要です。
8.自動車・輸送機器の軽量部品
軽量化が重要な自動車や輸送機器のアルミ部品も、インパクト加工のメリットを活かせる可能性があります。
輸送機器では、一つひとつの部品の軽量化を積み重ねることが車両全体の重量削減につながります。
インパクト加工では薄肉化が可能なため、条件が合えば、
ケース
カバー
キャップ
筒状部品
スペーサー
などを軽量化できる場合があります。
さらに、冷間で大きな塑性変形を与えることで加工硬化が生じ、強度向上につながる場合があることも特徴です。
つまり、
ただ薄くするのではなく、軽さと必要強度の両立を検討できる
ということです。
もちろん、自動車部品では安全性や耐久性など厳しい要求がありますので、実際の採用には製品ごとの評価が必要です。
9.スペーサー・カラー・筒状の機械部品
一見すると単純なスペーサー、カラー、筒状部品も、見直してみたい製品です。
こうした部品は、現在でも丸棒やパイプ材から切削して作られていることがあります。
1個あたりの加工は難しくなくても、数量が増えれば、
材料費
加工時間
工具費
切粉処理
設備稼働時間
が積み重なります。
特に、
同一形状を大量に使用する
比較的薄肉である
長さや形状が一定している
という場合には、インパクト加工による量産を検討する余地があります。
「簡単な部品だから切削でよい」と考えるのではなく、
簡単な形状を大量に作っているからこそ、工法変更の効果が大きくなる可能性がある
という視点も重要です。
10.角型ケース・特殊形状のカバー
「インパクト加工=丸い筒」
というイメージを持っている方も多いかもしれません。
しかし、インパクト加工は丸型だけとは限りません。
金型や製品条件によっては、角型ケースや楕円形状、特殊形状のカバーなども検討できます。
特に角型ケースでは、
複数の板を加工する
↓
曲げる
↓
接合する
↓
溶接する
↓
仕上げる
という工程を、一体成形へ変更できる可能性があります。
一体化できれば、
部品点数
接合工程
溶接工程
組立工程
管理工数
などの削減につながります。
さらに、底面と側面が一体になった継ぎ目のない構造にできるため、水密性などが求められる製品でも工法候補になる場合があります。
「角型だからインパクト加工は無理」と最初から除外せず、加工会社へ相談してみる価値があります。
10製品に共通する「インパクト加工向き」の条件とは?
ここまで10種類の製品を紹介しました。
しかし、重要なのは製品名そのものではありません。
インパクト加工に向いているかを判断するときは、製品の特徴を見ることが大切です。
特に、
- 薄肉にしたい
- 深さがある
- 中空・筒状・ケース形状
- 底面と側壁を一体化したい
- 現在の切削量が多い
- 軽量化したい
- 同じ製品を一定数量以上生産する
- 部品点数や接合工程を減らしたい
といった条件が複数当てはまる製品は、一度インパクト加工を検討する価値があります。
逆に、非常に少量の製品、頻繁に設計変更する製品、複雑な三次元形状などでは、切削加工など別の工法が合理的な場合があります。
「製品名」だけで加工方法を決めないことが大切
例えば同じ「電源ケース」でも、
年間100個作る製品と、年間10万個作る製品では最適な加工方法が違います。
同じ「アルミケース」でも、
肉厚10mmのケースと、薄肉・深型のケースでは条件が違います。
つまり、
「○○という製品だからインパクト加工」
と判断するのではなく、
形状 × 材質 × 肉厚 × 精度 × 生産数量 × 後工程
まで含めて考える必要があります。
そのため、加工方法を決める前に加工会社へ相談することが重要になります。

こんな切削部品は特に見直してみる
現在、切削加工で製作しているアルミ部品がある場合には、材料をどれだけ削っているかを一度確認してみてください。
例えば、
500gのアルミ素材から100gの製品を作っている。
内部をほとんど削り取ってケースを作っている。
毎月何千個も同じ筒状部品を切削している。
このような部品では、購入した材料の大部分を加工時間と工具を使って取り除いていることになります。
アルミの切粉は再資源化できるとしても、
材料購入 → 切削 → 切粉回収
という工程自体がなくなるわけではありません。
インパクト加工で完成形に近い形状を作り、
高精度が必要なところだけ切削する
という方法に変更できれば、材料と加工時間の両方を見直せる可能性があります。
インパクト加工なら切削加工が不要になる?
ここは誤解されやすいところです。
インパクト加工を採用したからといって、必ずしも切削加工をゼロにする必要はありません。
むしろ、
インパクト加工+切削加工
という組み合わせが有効なケースがあります。
例えば、
外形・ケース部分
→ インパクト加工
取付穴
→ 切削加工
高精度な嵌合部
→ 切削加工
というように、それぞれの工法が得意なところを使い分けます。
これなら、すべてを切削する場合と比べて材料ロスを減らしながら、必要な部分には切削加工の精度を活かすことができます。
インパクト加工は「量産する前」に相談する
インパクト加工を検討するなら、できれば図面が完全に固まる前に加工会社へ相談することをおすすめします。
なぜなら、インパクト加工には、
成形しやすい肉厚
形状
R
深さ
材料の流れ
などがあるからです。
切削加工だけを前提に図面を完成させた後では、インパクト加工へ変更するために大きな設計変更が必要になる場合があります。
一方、設計初期から、
「量産時にはインパクト加工を使えないか?」
という視点を持っていれば、成形しやすい形状を最初から設計に取り入れることができます。
試作品は切削で作り、量産段階でインパクト加工へ移行するという方法も考えられます。
アルミインパクト加工に向いているか、図面から考えてみませんか?
今回紹介した10種類は、インパクト加工を検討しやすい代表例です。
もう一度まとめると、
1,電池ケース・バッテリー関連部品
2,センサーカバー・センサーケース
3,電源ケース・電子機器筐体
4,ヒーターカバー・電熱機器部品
5,アルミキャップ・蓋部品
6,化粧品・日用品のアルミ容器
7,医療・理化学機器のケース・カバー
8,自動車・輸送機器の軽量部品
9,スペーサー・カラー・筒状部品
10,角型ケース・特殊形状カバー
です。
ただし、これ以外の製品でもインパクト加工が適している可能性はあります。
反対に、この10種類に入っていても、数量や寸法、精度などによって別の加工方法が適している場合もあります。
だからこそ、
「これはインパクト加工で作れますか?」
という段階から加工会社へ相談することが重要です。
アルミインパクト加工なら昭和軽金属工業へ
昭和軽金属工業株式会社では、アルミのインパクト加工をはじめ、切削、プレス、絞り、板金、溶接など、さまざまな加工方法に対応しています。
インパクト加工についても、丸型だけでなく角型や楕円、薄肉ケース、アルミ丸筒、キャップ、センサーカバー、電源ケース、ヒーターカバーなど、さまざまな形状の製作実績があります。
「現在切削で作っているケースを安くできないか」
「薄肉のアルミケースを量産したい」
「材料ロスを減らしたい」
「複数部品を一体化したい」
「この図面がインパクト加工に向いているかわからない」
そんな段階からでもご相談ください。
重要なのは、最初から加工方法を一つに決めてしまわないことです。
切削がよいのか。
絞りがよいのか。
インパクト加工がよいのか。
あるいは複数の加工方法を組み合わせるのか。
製品の形状・数量・精度・用途に合わせて、最適な作り方を考えることが、品質とコストを両立する第一歩です。
「今までこの工法だったから」ではなく、
「この製品に、本当に一番合った作り方は何か?」
そこからアルミ部品の加工方法を見直してみませんか?
現在製作しているアルミ部品の「当たり前の作り方」を見直すことが、コストダウン・軽量化・工程削減への第一歩になるかもしれません。
既存部品のコストダウン、新規部品の工法検討、量産を見据えた加工方法の選定など、お困りのことがございましたらお気軽にお問い合わせください。
【お問い合わせ】
監修者

- 取締役社長
中 保博
昭和軽金属はアルミの加工だけにとどまらないご相談を大切にしています。
設計通りに加工することは簡単です。
その背景にある、お客さまがアルミを加工したい目的はなにか、どのようなカタチで最終品として使われるのか、どうしたら便利に利用されるか。
アルミ加工+「X」を考えてお話することで、お客さまや消費者さまの「!」を生み出します。