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2026.9.15NEW

アルミ部品のコストを30%下げるために見直したい5つのポイント|材料・設計・加工方法から徹底解説

アルミ部品のコストを30%下げるために見直したい5つのポイント

 

「アルミ部品の価格が以前より高くなった」

「量産品なので、1個あたりの単価をもう少し下げたい」

「品質は落とさず、製造コストだけを削減したい」

このような悩みを抱えている設計担当者・購買担当者の方は少なくありません。

アルミ部品のコストダウンというと、まず「もっと安い加工会社を探す」「相見積もりを取る」「仕入先に値下げをお願いする」といった方法を考えがちです。

しかし、大幅なコスト削減を目指す場合、単純な価格交渉だけでは限界があります。

なぜなら、アルミ部品の価格は材料費だけで決まっているわけではないからです。

材料の取り方、加工時間、加工工程、段取り、工具、金型、治具、検査、表面処理、組立、不良率など、さまざまな要素が積み重なって最終的な部品価格になります。

つまり、30%規模のコストダウンを目指すのであれば、

「今の部品をそのまま安く作る」

のではなく、

「そもそも、この部品の作り方は最適なのか?」

というところまで戻って考えることが重要です。

もちろん、すべての部品で30%のコスト削減が実現できるわけではありません。しかし、設計や材料、工法、後工程まで含めて見直すことで、大きな改善余地が見つかるケースがあります。

今回は、アルミ部品のコストを大きく下げたいときに、特に確認したい5つのポイントを解説します。

 

 

1.材料の使い方と「歩留まり」を見直す

 

アルミ部品のコストダウンを考えるうえで、最初に確認したいのが材料費です。

ただし、

「もっと安いアルミ合金に変更できないか」

だけを考えるのではありません。

重要なのは、

「購入した材料のうち、実際に製品として残っている割合はどれくらいか」

という視点です。

これを「歩留まり」といいます。

例えば、アルミのブロック材から切削加工によって部品を作るケースを考えてみましょう。

10kgの材料を購入しても、完成品の重量が3kgしかなければ、残りの多くは切粉や端材になります。

もちろんアルミの切粉や端材は再資源化できますが、材料を購入し、運搬し、削り、切粉を処理するためのコストは発生しています。

特に、

・肉厚のブロックから大部分を削り落としている
・中空形状をすべて切削で作っている
・製品寸法に対して素材寸法が大きい
・毎回多量の端材が発生している

といった部品では、材料の取り方を変更するだけでもコスト改善につながる可能性があります。

 

 

材質そのものも「本当に最適か」を確認する

 

アルミにはA1050、A5052、A6061、A6063、A2017、A7075など、さまざまな種類があります。

強度、耐食性、加工性、溶接性などが異なるため、用途に合わせた選定が必要です。

しかし、過去の設計をそのまま流用している部品では、

「昔からこの材質だから」

という理由だけで材料が指定されていることがあります。

必要以上に高性能な材料を使用していないか。

加工しにくい材質を選んでいるために加工費が高くなっていないか。

調達しにくい材料寸法を指定していないか。

こうした部分を見直すことも重要です。

単純な材料単価だけではなく、

材料価格 × 使用量 × 歩留まり × 加工性

まで含めて考えることで、本当の材料コストが見えてきます。

 

 

2.「全部切削する」という前提を見直す

 

アルミ部品のコストを大幅に削減したい場合、非常に重要なのが加工方法の見直しです。

特に確認したいのが、

「この部品は本当にすべて切削加工で作る必要があるのか?」

という点です。

切削加工は、複雑な形状を高精度に加工でき、設計変更にも比較的対応しやすい優れた加工方法です。

一方で、大量の材料を削り落とす形状や量産品では、材料ロスと加工時間が大きくなることがあります。

アルミ部品には切削加工以外にも、

・プレス加工
・深絞り加工
・インパクト加工
・押出加工
・鍛造
・ダイカスト
・板金加工

など、さまざまな製造方法があります。

形状やロット数によっては、工法を変更することでコスト構造そのものを変えられる可能性があります。

 

 

例えば「削る」から「成形する」へ

 

厚いアルミ材から筒状の部品を削り出している場合を考えてみましょう。

外径を削り、内径を削り、底部を残し、さらに仕上げ加工をする。

この方法では、多くの材料が切粉になり、加工時間も必要です。

一方、形状や数量などの条件が合えば、インパクト加工や深絞り加工などによって、素材を塑性変形させて製品に近い形状を作れる場合があります。

すると、

材料ロスの削減
加工時間の短縮
量産時のサイクルタイム短縮
後加工の削減

などが期待できます。

もちろん、プレスやインパクト加工では金型費が必要になるため、試作品や数個だけの生産では切削加工の方が合理的な場合もあります。

重要なのは、

「どの工法が一番安いか」ではなく、「この形状と生産数量なら、どの工法が最も合理的か」

という考え方です。

試作では切削、量産開始後はプレスやインパクト加工へ変更するなど、生産数量に合わせて工法を変えることも有効です。

 

 

3.公差・表面粗さ・形状を「必要十分」にする

 

図面を見直すだけで、アルミ部品の加工費が下がることがあります。

その代表例が、

公差と表面粗さの見直し

です。

高精度な加工そのものが悪いわけではありません。

問題は、

機能上必要のない部分まで高精度になっていること

です。

例えば、部品の一部だけが相手部品との嵌合に使われるのであれば、その部分には厳しい寸法公差が必要かもしれません。

しかし、製品機能に影響しない部分まで同じ精度を指定すると、加工側ではその精度を守るための工程が必要になります。

厳しい公差を指定すると、

・加工条件を慎重に設定する
・仕上げ工程を追加する
・加工途中で測定する
・加工後の検査項目が増える
・不良や手直しのリスクが高くなる

といったコストが発生します。

表面粗さについても同じです。

外観や摺動性、気密性などの理由で高い面品質が必要な場所と、通常の加工面で問題ない場所を分けることが重要です。

 

 

加工しやすい形状になっているか

 

形状そのものも加工費に大きく影響します。

例えば、

・極端に深い穴
・細く深い溝
・小さすぎる内R
・薄すぎる壁
・工具が入りにくい場所
・何度も部品を持ち替える必要がある形状
・特殊工具が必要になる形状

などは、加工時間を増やす原因になります。

設計上わずかな変更で済む場合でも、加工現場では大きなコスト差になることがあります。

「このRを少し大きくできないか」

「この穴は貫通でも問題ないか」

「この部分の公差は緩和できないか」

「この形状なら工具を標準化できないか」

といった検討を加工会社と行うことで、製品機能を維持しながら加工費を削減できる可能性があります。

これがVA・VEによるコストダウンの重要な考え方です。

 

 

4.加工費だけでなく「工程全体」を見直す

 

見積書の「加工単価」だけを比較していると、コストダウンの大きなチャンスを見逃すことがあります。

アルミ部品が完成するまでには、

材料調達
切断
成形
切削
穴あけ
バリ取り
洗浄
研磨
表面処理
検査
梱包
輸送

など、複数の工程が発生することがあります。

例えば切削加工を10%安くできたとしても、その後に高額な研磨や表面処理が必要なら、完成品全体では数%しか下がらないかもしれません。

反対に、

「加工方法を変更して研磨工程をなくす」

「形状を変更して溶接をなくす」

「複数部品を一体化して組立工程をなくす」

といった改善ができれば、複数のコストをまとめて削減できます。

 

 

部品点数を減らせないか

 

部品点数の削減も大きなポイントです。

例えば3つのアルミ部品を製作して、最後にボルトや溶接で組み立てているとします。

この場合、

3部品分の材料調達

3部品分の加工
3部品分の管理
組立作業
締結部品
検査

が必要です。

これを一体化できれば、部品単価だけでなく管理費や組立工数まで削減できる可能性があります。

逆に、大きなブロックから非常に複雑な形状を削り出している場合は、あえて部品を分割した方が安くなることもあります。

つまり、

「一体化すれば必ず安い」「分割すれば必ず安い」ということではありません。

材料歩留まり、加工時間、組立、精度、ロット数などを総合的に比較することが重要です。

 

 

表面処理も必要な部分だけにする

 

アルミ部品では、アルマイト、化成処理、塗装などの表面処理を行うことがあります。

ここでも、

全面処理が本当に必要か
外観品質が必要なのはどこか
膜厚指定は適切か
見えない部分にも同じ外観基準が必要か

などを確認してみましょう。

製品単価ではなく、

「完成品1個を出荷できる状態にするまで、いくらかかっているのか」

というトータルコストで見ることが重要です。

 

 

5.図面完成後ではなく「設計段階」で加工会社に相談する

 

アルミ部品のコストダウンで、最後にぜひ確認していただきたいのが「相談するタイミング」です。

一般的な発注では、

設計

図面完成

加工会社へ見積依頼

価格比較

発注

という流れになりがちです。

しかし、この段階で、

「30%安くしてください」

と言われても、加工会社ができることは限られています。

図面通りに製作することが前提になっているからです。

一方、設計段階で相談できれば、

・材質変更
・素材寸法の変更
・公差緩和
・R変更
・肉厚変更
・加工方法変更
・プレス化
・インパクト加工化
・押出材の活用
・部品の一体化
・部品の分割
・後工程削減

など、さまざまな選択肢を検討できます。

これこそが、大幅なコストダウンを実現するための重要なポイントです。

加工会社は、単に「図面通りに部品を作る会社」ではありません。

加工現場には、

「この寸法なら材料の取り都合が良い」

「このRなら標準工具が使える」

「この数量なら切削より別工法の方が有利」

「この部分を変更すれば工程を一つ減らせる」

といった製造ノウハウがあります。

その知識を設計段階で活用することで、品質を落とさずコストを下げられる可能性が高まります。

 

 

アルミ部品を30%コストダウンするための考え方

 

ここまで紹介した5つのポイントを整理すると、

1.材料と歩留まりを見直す
2.加工方法そのものを見直す
3.公差・表面粗さ・形状を見直す
4.加工だけでなく全工程を見直す
5.設計段階から加工会社へ相談する

となります。

重要なのは、一つの項目だけで30%を削減しようとしないことです。

例えば、

材料費で5%
加工時間で10%
後工程で5%
組立工程で5%
不良・管理コストで5%

というように、複数の改善を積み重ねた結果として、大きなコスト削減につながるケースがあります。

反対に、すでに最適化された部品では30%削減が難しい場合もあります。

だからこそ、

「30%下げられるか」から始めるのではなく、「現在のコストは何によって発生しているのか」を分解すること

が大切です。

 

 

「単価を下げる」から「作り方を変える」へ

 

アルミ部品のコストダウンというと、どうしても仕入先との価格交渉に目が向きます。

しかし、大幅なコスト削減につながる可能性があるのは、

単価交渉ではなく、製品の作り方そのものを見直したときです。

特に長期間同じ図面で製作している量産部品では、設計当時には最適だった工法が、現在も最適とは限りません。

生産数量が増えているのであれば、切削加工から量産向け工法へ変更できるかもしれません。

加工技術や設備が変わったことで、以前は複数工程だった部品をより少ない工程で製作できる可能性もあります。

「昔からこの方法だから」と考えず、現在の生産数量・要求品質・材料・形状を改めて確認することが、コストダウンの第一歩になります。

 

 

昭和軽金属工業ではアルミ部品のコストダウン提案にも対応しています

 

昭和軽金属工業株式会社では、アルミ部品の加工について、図面通りに製作するだけでなく、製品形状や数量、用途などを確認しながら、より適した加工方法を検討しています。

特に、

「現在のアルミ部品が高く、コストを見直したい」

「切削加工で量産しているが、もっと安い方法がないか知りたい」

「材料ロスが多い」

「プレス加工やインパクト加工に変更できるか検討したい」

「設計段階で加工方法について相談したい」

といった場合は、図面が完全に完成する前の段階でもご相談ください。

アルミ加工のコストは、図面だけで決まるものではありません。

材質 × 形状 × 工法 × 数量 × 精度 × 後工程

の組み合わせによって大きく変わります。

品質を維持しながらコストダウンするためには、単純に「安く作る」のではなく、

「最も合理的な作り方を探す」

ことが重要です。

現在使用しているアルミ部品について、

「この作り方が本当に最適なのだろうか?」

と感じているものがあれば、一度製造方法から見直してみてはいかがでしょうか。

昭和軽金属工業株式会社では、アルミ加工に関するさまざまなご相談に対応しています。

既存部品のコストダウン、新規部品の工法検討、量産を見据えた加工方法の選定など、お困りのことがございましたらお気軽にお問い合わせください。

 

【お問い合わせ】

 

 

昭和軽金属工業株式会社のホームページはこちらから

https://www.showa-keikin.co.jp/

監修者

  • 取締役社長

中 保博

昭和軽金属はアルミの加工だけにとどまらないご相談を大切にしています。
設計通りに加工することは簡単です。
その背景にある、お客さまがアルミを加工したい目的はなにか、どのようなカタチで最終品として使われるのか、どうしたら便利に利用されるか。
アルミ加工+「X」を考えてお話することで、お客さまや消費者さまの「!」を生み出します。