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2026.7.8NEW
アルミ缶は約60日で生まれ変わる?
私たちの身近にあるアルミ缶は、リサイクル性に優れた資源であることをご存じでしょうか。
使用済みのアルミ缶は回収・再生され、約60日という短期間で新しいアルミ缶として再び店頭に並ぶこともあります。
この高いリサイクル性能は、資源の有効活用だけでなく、CO₂排出量やエネルギー消費の削減にも大きく貢献しています。
本記事では、アルミ缶が約60日で生まれ変わる仕組みや、リサイクルの流れ、環境に優しい理由についてわかりやすく解説します。
アルミ缶は約60日で生まれ変わる?
「Can to Can(缶から缶へ)」が実現する循環型リサイクルの仕組み
毎日何気なく飲んでいるアルミ缶。飲み終えた後、「資源ごみ」として回収に出している方も多いでしょう。
では、そのアルミ缶は回収された後、どのような運命をたどるのでしょうか。
実は、回収されたアルミ缶は、新しいアルミ缶へと生まれ変わる「Can to Can(缶から缶へ)」という循環型リサイクルが行われています。条件が整えば、回収から約60日後には新しい飲料缶として店頭に並ぶこともあります。
これは他の素材では実現が難しい、アルミならではの大きな特長です。
今回は、アルミ加工や材料に携わる立場から、「Can to Can」の仕組みやメリット、そして日本のアルミリサイクルの現状について分かりやすく解説します。
Can to Canとは?
Can to Canとは、その名のとおり**「アルミ缶から新しいアルミ缶を製造するリサイクルシステム」**のことです。
一般的なリサイクルでは、回収された材料が別の製品に生まれ変わるケースも少なくありません。
例えば、
・ペットボトルから衣類
・プラスチックからベンチ
・ガラスびんから道路舗装材
といったように、用途が変わる「カスケードリサイクル」が多く見られます。
一方、アルミ缶は品質をほとんど損なうことなく、新しいアルミ缶へと繰り返し再生できます。
これが「Can to Can」です。
アルミはなぜ何度でもリサイクルできるのか?
アルミは金属そのものの性質が非常に安定しています。
紙やプラスチックはリサイクルを繰り返すと繊維や樹脂が劣化しますが、アルミは溶かしても金属としての基本的な性質がほとんど変わりません。
もちろん、成分調整や不純物の管理は必要ですが、適切に精錬すれば、新地金とほぼ同等の品質まで戻すことが可能です。
この特性が、アルミを「循環型社会に適した素材」として高く評価される理由の一つです。
回収されたアルミ缶はどこへ行く?
家庭や自動販売機、駅、オフィスなどで回収されたアルミ缶は、まずリサイクル施設へ運ばれます。
その後、次のような工程を経て再びアルミ缶になります。
1,回収・選別
2,異物除去
3,圧縮・梱包
4,溶解
5,成分調整
6,スラブ鋳造
7,圧延
8,缶材製造
9,DI製法による缶成形
10,飲料メーカーで充填・出荷
飲み終えたアルミ缶は、こうした工程を経て、新しい命を吹き込まれます。
約60日で店頭へ戻る理由
「約60日」という期間は、回収から製造、充填、物流までがスムーズに進んだ場合の目安です。
アルミは溶解後すぐに新しい板材へ加工できるため、他の素材と比べてリサイクルサイクルが非常に短いのが特徴です。
つまり、今日飲んだ缶が約2か月後には新しい缶として誰かの手に渡る可能性があるのです。
リサイクルで消費電力は約97%削減
アルミが「リサイクルの優等生」と呼ばれる最大の理由は、エネルギー効率の高さです。
アルミ地金を一から製造するには、ボーキサイトを精製し、高温・大電力で電解精錬する必要があります。
この工程では非常に多くの電力を消費します。
一方、リサイクルではアルミを溶かすだけで済むため、新地金製造時と比べて約97%ものエネルギー削減が可能とされています。
これはCO₂排出量の削減にも大きく貢献します。
日本は世界でも有数のアルミ缶リサイクル国
日本では自治体や事業者による分別回収が浸透しており、アルミ缶の回収率は世界でも高い水準を維持しています。
さらに、多くの回収缶がCan to Canに利用されており、資源を国内で循環させる重要な役割を果たしています。
資源を持たない日本にとって、使用済みアルミ缶は「都市鉱山」とも呼ばれる貴重な資源です。
なぜアルミ缶はリサイクルしやすいのか?
アルミ缶には、リサイクルを前提とした設計が施されています。
例えば、
・軽量で輸送効率が高い
・磁力選別や渦電流選別で分離しやすい
・成分が比較的統一されている
・溶解後の品質管理がしやすい
など、リサイクル工程との相性が非常に良好です。
製品設計からリサイクルまでを考慮している点も、アルミ缶の大きな特徴です。
私たちにできること
Can to Canを支えているのは、特別な設備だけではありません。
実は、一人ひとりの小さな行動が大切です。
例えば、
・飲み終えた缶を分別する
・中身を軽くすすぐ
・スチール缶と分けて出す
・ごみとして捨てない
こうした日常の行動が、高品質なリサイクルにつながります。
アルミ缶リサイクルがもたらす未来
世界では脱炭素社会への取り組みが加速しています。
アルミ業界でも、再生アルミの利用拡大が進み、自動車や建築材、電子機器など、さまざまな分野でリサイクル材の需要が高まっています。
その中でもアルミ缶は、最も成熟した循環型リサイクルシステムを持つ製品の一つです。
Can to Canは単なるリサイクルではなく、「限りある資源を未来へつなぐ仕組み」と言えるでし
ょう。
まとめ
アルミ缶は、飲み終えたら役目を終えるわけではありません。
適切に分別・回収されたアルミ缶は、再び新しいアルミ缶へと生まれ変わり、約60日という短期間で店頭に戻ることもあります。
この「Can to Can」は、アルミの優れたリサイクル性を象徴する取り組みであり、資源の有効活用、省エネルギー、CO₂削減、そして循環型社会の実現に大きく貢献しています。
私たちが日常で行う「アルミ缶を分別してリサイクルに出す」という小さな行動は、未来の資源を守る大きな一歩です。
次にアルミ缶を手に取るときは、その缶が何度も生まれ変わりながら私たちの暮らしを支えていることを思い出してみてください。一つのアルミ缶には、環境技術とものづくりの知恵、そして持続可能な社会への希望が詰まっています。
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監修者

- 取締役社長
中 保博
昭和軽金属はアルミの加工だけにとどまらないご相談を大切にしています。
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その背景にある、お客さまがアルミを加工したい目的はなにか、どのようなカタチで最終品として使われるのか、どうしたら便利に利用されるか。
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