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2026.9.16NEW

知らないと損するアルミのインパクト加工|コストダウン・軽量化・量産に強い加工法を徹底解説

知らないと損するアルミのインパクト加工

アルミ部品を製作するとき、

「この形なら切削加工だろう」
「今までこの方法で作ってきたから」
「アルミの塊から削り出すしかない」

と考えていませんか?

実は、アルミ部品の形状や生産数量によっては、

加工方法を変えるだけで材料ロスや加工工程を大きく減らせる可能性があります。

その選択肢の一つが、

アルミのインパクト加工です。

インパクト加工は「衝撃押出し」「インパクト押出し」などとも呼ばれる冷間加工の一種で、アルミ素材に大きな力を加えて塑性変形させ、目的の形状へ成形します。

特に、

「深さのある部品」
「薄肉のケース」
「底のある筒状部品」
「大量に生産する部品」
「切削すると大量の切粉が出る部品」

などでは、検討する価値のある加工方法です。インパクト加工では素材から底面と側面を継ぎ目なく成形できることが大きな特徴です。

ところが、切削加工や一般的なプレス加工に比べて、インパクト加工を詳しく知らない設計者・購買担当者の方も少なくありません。

そのため、本来ならインパクト加工が適している部品を、長年にわたり切削加工で製作し続けているケースも考えられます。

今回は「知らないと損するアルミのインパクト加工」をテーマに、仕組みからメリット、切削加工との違い、向いている部品、注意点まで詳しく解説します。

1.そもそもアルミのインパクト加工とは?

インパクト加工とは、金型の中にアルミ素材をセットし、パンチによって瞬間的に大きな力を加え、材料を塑性変形させて目的の形状に成形する方法です。

「衝撃押出し」「冷間押出し」「押出鍛造」などと呼ばれることもあります。

一般的なイメージとしては、

アルミを「削って形を作る」のではなく、「材料を流動させて形を作る」加工

と考えるとわかりやすいでしょう。

例えば、底のある筒状のアルミ部品を考えてみます。

切削加工で製作する場合、大きなアルミ素材から外側を削り、さらに内部を削って空洞を作ります。

当然、削った部分は切粉になります。

一方、インパクト加工では、アルミのスラグ(素材)にパンチで大きな力を加えることで、アルミを金型に沿って流動させます。

この特性を利用することで、薄肉で深さのある形状を一工程で成形できる場合があります。昭和軽金属工業の設備紹介でも、専用プレスの高速打撃によってアルミ素材を金型内で塑性流動させる加工として説明されています。

2.知らないと損する理由① 材料を「削って捨てる」量を減らせる

インパクト加工の大きなメリットの一つが、

材料歩留まりの良さです。

アルミの切削加工では、素材から不要な部分を削り取って製品形状を作ります。

もちろん切削加工には、高精度な加工ができる、複雑な形状に対応しやすい、少量生産に向いているなど、多くのメリットがあります。

しかし、例えば中空形状の部品を大きなアルミブロックから削り出す場合、素材の相当部分が切粉になることがあります。

材料費だけではありません。

削るための加工時間が必要になり、工具も消耗します。切粉の回収や処理も必要です。

つまり、

「買った材料の価格」+「不要部分を削る費用」

の両方が発生しているわけです。

一方、インパクト加工は材料を塑性変形させて製品形状を作るため、切削と比較して材料ロスを抑えられるケースがあります。昭和軽金属工業の既存解説でも、素材を削らないことによる高い歩留まりが、量産時の特徴として挙げられています。

アルミ材料を大量に使用する量産品ほど、この差が製品コストに影響する可能性があります。

3.知らないと損する理由② 薄くて深い形状を一体成形できる

インパクト加工が特に力を発揮するのが、薄肉で深さのある形状です。

例えば、

ケース
カバー
容器
筒状部品
電池ケース
電子機器部品

などです。

インパクト加工では、条件が合えば底面と側面を継ぎ目なく一体で成形できます。

これはコストだけでなく、製品設計の面でも大きなメリットになります。

複数の部品を製作してから溶接したり、接合したりしていた製品を、一体成形できる可能性があるからです。

部品点数が減れば、

加工工程
部品管理
接合作業
組立作業
検査工程

などの削減にもつながります。

「部品単価」だけを見るのではなく、完成品になるまでの総コストを見ることが重要です。

4.知らないと損する理由③ 量産するとコストメリットが出やすい

インパクト加工には金型が必要です。

そのため、

「金型代がかかるなら切削加工の方が安いのでは?」

と思われるかもしれません。

確かに、試作品を1個だけ製作するような場合では、切削加工の方が合理的なことがあります。

しかし、生産数量が増えると状況が変わります。

切削加工では、基本的に製品を作るたびに材料を削り、加工時間が発生します。

一方、インパクト加工は金型を製作した後、短時間で繰り返し成形できるため、

量産品では1個あたりの加工コストを抑えられる可能性があります。

昭和軽金属工業の比較記事でも、インパクト加工は初期投資として金型・設備が必要な一方、高歩留まりで量産に向く工法とされています。

重要なのは、

「金型費が高いか安いか」だけで判断しないこと。

金型費を生産予定数量で割り、

材料費
加工費
後加工費
金型費
組立費

まで含めて比較する必要があります。

年間数万個を何年も製造する部品と、10個だけ作る部品では、最適な加工方法は当然変わります。

5.知らないと損する理由④ 軽量化と強度を両立できる可能性がある

アルミが採用される大きな理由の一つは「軽さ」です。

自動車、輸送機器、電子機器、モバイル製品などでは、部品を数グラム軽くすることにも意味があります。

インパクト加工では薄肉成形が可能なため、部品の軽量化につなげられる場合があります。

さらに、冷間で大きな塑性変形を与えることによる加工硬化を利用し、機械的強度の向上につなげられる場合があります。昭和軽金属工業でも、インパクト加工による加工硬化を利用することで、強度確保と薄肉化につながった実績を紹介しています。

ただし、必要な強度や材質、肉厚、使用環境によって条件は異なるため、製品ごとの検討が必要です。

6.知らないと損する理由⑤ 「溶接して作る」を見直せる可能性がある

もう一つ注目したいのが、

一体成形です。

例えば従来、

 底板を作る
 ↓
 側面部品を作る
 ↓
 溶接する
 ↓
 仕上げる
 ↓
 検査する

という工程で製作していた部品があるとします。

もしインパクト加工によって底と側面を一体成形できれば、接合工程そのものを減らせる可能性があります。

これは、

 部品点数削減
 溶接工程削減
 管理工数削減
 組立時間短縮

などにつながります。

また、継ぎ目のない形状を作れることは、気密性や水密性が求められる製品を検討するうえでも有効な特徴です。

単純に、

「切削加工とインパクト加工、どちらの加工単価が安いか」

だけではなく、

製品全体の工程をどこまで減らせるか

という視点で比較することが重要です。

7.インパクト加工なら、どんな形でも作れるわけではない

ここまで読むと、

「それなら全部インパクト加工にすればいいのでは?」

と思うかもしれません。

しかし、そうではありません。

インパクト加工にも向き・不向きがあります。

金型を使って材料を塑性流動させるため、製品形状、材質、肉厚、深さ、寸法精度などによって成形できる範囲が変わります。

また、金型費が必要なので、数量によっては切削加工の方が有利です。

複雑な形状や非常に厳しい精度が必要な部分では、インパクト加工後に切削などの二次加工を組み合わせる場合もあります。

だからこそ重要なのは、

「インパクト加工か、切削加工か」という二者択一で考えないことです。

インパクト加工で大まかな形状を作り、必要な部分だけ切削加工する。

このような組み合わせによって、材料ロスを減らしながら必要精度を確保する方法も検討できます。

8.こんなアルミ部品なら一度インパクト加工を検討してみる

現在使用しているアルミ部品に、次のような特徴があれば、一度加工方法を見直してみる価値があります。

大量のアルミを削っている

素材に対して完成品がかなり軽い場合は、材料歩留まりを改善できる可能性があります。

薄肉で深い形状をしている

ケースや容器、筒形状などはインパクト加工が得意とする代表的な形状です。

同じ部品を繰り返し量産している

金型費を含めても、量産によってトータルコストを抑えられる可能性があります。

複数部品を溶接・接合している

一体成形によって部品点数や工程を減らせないか検討できます。

もっと軽量化したい

薄肉化によって製品重量を減らせる可能性があります。

特に、

「昔から切削加工だから、今も切削加工」

という部品は、一度現在の条件で見直してみることをおすすめします。

9.インパクト加工は「図面完成後」より「設計段階」で相談する

インパクト加工を活用するときに大切なのが、加工会社へ相談するタイミングです。

図面を完全に仕上げ、

「この図面通りに作ってください」

という状態になってからでは、加工方法を変更する余地が小さくなる場合があります。

反対に、設計段階なら、

「この肉厚なら成形できるか」

「この形状は一体化できるか」

「ここだけ後加工にできるか」

「切削よりインパクト加工の方が有利か」

などを加工会社と一緒に検討できます。

インパクト加工では、内外面に縦方向のビードや溝を設けたり、底部形状を工夫したりする設計例もあります。昭和軽金属工業では、溝を基板の差し込み部として利用した例や、接合方法の変更につながった例も紹介しています。

つまり、加工方法を知ることは単なる製造知識ではなく、

製品設計の選択肢を増やすことでもあるのです。

10.「知らなかった」で払い続けるコストを見直してみませんか?

アルミ部品のコストダウンを考えると、

「もっと安い加工会社を探そう」

と考えがちです。

しかし、本当に見直すべきなのは、加工会社の価格ではなく、

「そもそも、この作り方が最適なのか?」

という部分かもしれません。

切削加工が最適な製品もあります。

プレス加工が適している製品もあります。

そして、インパクト加工に変更することで、大きなメリットが生まれる製品もあります。

大切なのは、それぞれの工法の特徴を理解し、製品形状・数量・品質・コストに合わせて選択することです。

インパクト加工を知らなければ、そもそも比較検討することさえできません。

だからこそ、

「知らないと損する加工方法」

なのです。

アルミのインパクト加工なら昭和軽金属工業へご相談ください

昭和軽金属工業株式会社では、大小さまざまなインパクトプレスを保有し、アルミのインパクト加工に対応しています。大型設備では、大径・長尺・厚肉など高い成形荷重を必要とする部品にも対応する設備があります。

「現在、切削加工で作っている部品を見直したい」

「大量に出る切粉を減らしたい」

「量産品のコストを下げたい」

「部品を薄肉・軽量化したい」

「複数部品を一体化できないか検討したい」

「この図面がインパクト加工に向いているか知りたい」

そんな段階からでもご相談ください。

完成した図面だけでなく、

「こんな部品を作りたい」という設計段階から加工方法を検討することが、より良い製品づくりへの近道になる場合があります。

切削加工だけ、プレス加工だけと決めてしまう前に、インパクト加工という選択肢を加えてみてはいかがでしょうか。

現在製作しているアルミ部品の「当たり前の作り方」を見直すことが、コストダウン・軽量化・工程削減への第一歩になるかもしれません。

昭和軽金属工業株式会社

既存部品のコストダウン、新規部品の工法検討、量産を見据えた加工方法の選定など、お困りのことがございましたらお気軽にお問い合わせください。

 

【お問い合わせ】

監修者

  • 取締役社長

中 保博

昭和軽金属はアルミの加工だけにとどまらないご相談を大切にしています。
設計通りに加工することは簡単です。
その背景にある、お客さまがアルミを加工したい目的はなにか、どのようなカタチで最終品として使われるのか、どうしたら便利に利用されるか。
アルミ加工+「X」を考えてお話することで、お客さまや消費者さまの「!」を生み出します。