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2026.11.2NEW
A2017とA7075の違いとは?強度・加工性・耐食性を比較!アルミ材質の選び方
A2017とA7075の違いとは?強度・加工性・耐食性を比較!アルミ材質の選び方
「A2017とA7075は何が違う?」
「高い強度が必要ならA7075を選ぶべき?」
「切削加工やコストまで考えると、どちらが適している?」
アルミ部品の設計では、軽量化と強度の両立が重要な課題になります。
その際、候補として挙がるのが、ジュラルミンと呼ばれるA2017と、超々ジュラルミンとして知られるA7075です。
どちらも比較的高い強度を持つアルミ合金ですが、機械的性質や耐食性、加工時の注意点には違いがあります。
結論からいうと、強度と加工性のバランスを重視するならA2017、より高い強度を必要とする部品にはA7075が有力な候補です。
ただし、A7075の方が強いからといって、すべての製品に適しているわけではありません。
今回は、A2017とA7075の違いを比較しながら、材質選定で失敗しないポイントを解説します。
1.A2017とA7075の基本的な違い
A2017とは?
A2017は、銅を主な添加元素とする2000系アルミ合金です。
一般にジュラルミンと呼ばれ、強度と切削加工性に特徴があります。
機械部品やシャフト、各種構造部品などに使用されています。
一方、銅を含むため、純アルミニウムや一部の5000系・6000系合金と比較すると、耐食性には注意が必要です。
A7075とは?
A7075は、亜鉛・マグネシウム・銅などを含む7000系アルミ合金です。
超々ジュラルミンとして知られ、アルミ合金の中でも非常に高い強度を得られる材質です。
航空機関連部品や高強度を必要とする機械部品などで使用されています。
ただし、耐食性や応力腐食割れへの配慮が必要で、使用環境に応じた調質や表面処理の検討が重要になります。
2.A2017とA7075の性能比較表
代表的な調質であるA2017-T4とA7075-T6を比較すると、次のようになります。

※数値は代表的な参考値であり、保証値ではありません。実際の性能は製品形態・寸法・調質・適用規格によって異なります。
この表からわかるように、A7075-T6はA2017-T4より高い引張強さと耐力を持ちます。
ただし、強度だけでなく、加工方法や使用環境まで考えて材質を選ぶことが重要です。
3.強度を重視するならA7075
A2017とA7075の大きな違いは強度です。
代表的な引張強さを比較すると、A2017-T4が約425MPa、A7075-T6が約570MPaです。
高い荷重を受ける部品や、重量を増やさず強度を確保したい部品では、A7075が有力な選択肢になります。
ただし、注意したいのが強度と剛性の違いです。
A2017とA7075のヤング率には大きな差がないため、同じ形状で材質を変更しても、たわみが大幅に改善するとは限りません。
剛性不足が問題の場合には、肉厚やリブ、断面形状の見直しも重要です。
また、繰り返し荷重がかかる部品では、静的な強度だけでなく疲労特性も確認する必要があります。
4.切削加工ではどちらが有利?
A2017とA7075は、どちらも切削加工に使用されるアルミ合金です。
切削加工性が良好な「A2017」は、シャフトや機械部品などに利用されています。
「A7075」も適切な工具や切削条件を選ぶことで、精密な機械部品を製作できます。
ただし、A7075は強度や硬度が高いため、工具摩耗や加工条件、残留応力による変形などを考慮する必要があります。
一方、A2017でも形状や加工条件によっては変形や仕上げ面の問題が発生します。
切削加工性だけでなく、要求精度・加工時間・材料の入手性まで含めて判断することが重要です。
5.耐食性にはどんな違いがある?
A2017とA7075は、どちらも使用環境によって防食対策が必要になるアルミ合金です。
銅を含む「A2017」は、耐食性を重視する用途では表面処理などを検討します。
「A7075」も、特に高強度調質では応力腐食割れに注意が必要です。
応力腐食割れとは、引張応力と特定の腐食環境が組み合わさることで、材料に割れが生じる現象です。
A7075では、使用条件によってT73系などの調質を検討することがあります。
ただし、調質を変更すると強度などの機械的性質も変わるため、総合的な判断が必要です。
耐食性が必要な部品では、材質・調質・表面処理・使用環境をセットで考えましょう。
6.溶接する場合は注意が必要
A2017とA7075は、どちらも一般的な溶融溶接を前提とした材質選定には注意が必要です。
溶接時の割れや熱影響による強度低下などが問題になる場合があります。
そのため、溶接を伴う構造部品では、材質変更や接合方法の見直しが必要になることもあります。
例えば、ボルト締結などの機械的接合を検討する方法もあります。
ただし、接合方法を変更すると、部品点数や重量、組立工程が増える場合があります。
材質を選ぶ段階で、接合方法まで考えておくことが重要です。
7.A2017とA7075、価格が安いのはどちら?
一般的には、A7075はA2017より材料費が高くなる傾向があります。
ただし、実際の価格は製品形態・寸法・調質・購入数量・調達先によって異なります。
また、完成部品のコストは材料費だけでは決まりません。
切削時間、材料歩留まり、工具費、表面処理費なども影響します。
A7075を使用することで部品を小型化できれば、条件によっては材料使用量を減らせる可能性もあります。
一方、必要以上に高い強度を指定すると、材料費や加工費が増える場合があります。
「高強度だからA7075」ではなく、必要な性能を満たす材質を総コストで比較することが大切です。
8.インパクト加工には適している?
昭和軽金属工業株式会社が得意とする加工方法の一つに、アルミのインパクト加工があります。
インパクト加工は、アルミ素材を冷間で塑性変形させ、薄肉の筒状部品や底付きケースなどを成形する方法です。
ただし、A2017やA7075のような高強度アルミ合金は、一般的な軟質アルミ材と比べて冷間成形が難しい場合があります。
特に高強度の調質状態では、大きな加工荷重や割れへの対策が必要です。
そのため、A2017やA7075を指定すれば、そのままインパクト加工できるというわけではありません。
また、完成品に高い強度が必要でも、加工前の材料には十分な成形性が求められます。
製品形状や要求性能によっては、別のアルミ材質や加工方法を検討する方が合理的な場合があります。
インパクト加工を検討する際は、材質を先に固定せず、製品形状・肉厚・必要強度・生産数量から相談することが重要です。
9.結局、A2017とA7075はどちらを選ぶべき?
用途別に整理すると、次のようになります。

この表は初期検討の目安です。
実際には、調質や寸法、使用環境、加工方法によって適切な材質が変わります。
10.材質選定で失敗しないための3つのポイント
① 必要以上の強度を指定しない
高強度材は魅力的ですが、過剰な性能指定はコスト増加につながる場合があります。
必要な荷重条件や安全率を整理し、適切な材質を選びましょう。
② 調質まで確認する
同じA7075でも、T6とT73系では強度や応力腐食割れへの抵抗性が異なります。
図面には材質だけでなく、必要に応じて調質も明記することが重要です。
③ 加工会社へ早い段階で相談する
材質を決定した後で加工方法を検討すると、加工難易度やコストが問題になる場合があります。
設計段階から材質と加工方法を合わせて検討することで、製造しやすい形状や合理的な工程を選びやすくなります。
11.アルミ部品の材質選定なら昭和軽金属工業へご相談ください
A2017とA7075は、どちらも強度に特徴があるアルミ合金です。
「A2017」は強度と加工性のバランス、「A7075」は非常に高い強度が魅力です。
しかし、最適な材質は強度だけでは決まりません。
耐食性、接合方法、製品形状、加工方法、生産数量、コストまで含めた検討が重要です。
昭和軽金属工業株式会社では、アルミ部品の材質選定や加工方法についてご相談いただけます。
「A2017とA7075のどちらが適しているかわからない」
「強度を確保しながら軽量化したい」
「現在の材質や加工方法を見直したい」
「量産コストを削減したい」
このようなお悩みがあれば、ぜひご相談ください。
「このアルミ部品、どの材質・加工方法が最適ですか?」
材質・形状・加工方法を総合的に見直すことで、製品性能とコストの両面から改善できる可能性があります。
アルミ部品の材質選定や加工方法でお困りの際は、昭和軽金属工業株式会社へお気軽にお問い合わせください。
昭和軽金属工業株式会社 公式サイト
参考記事
・アルミ材質の選び方完全ガイド ・A5052とA6061の違いを比較!
・A5052とA1050の違いとは? ・A6061とA6063の違いとは?
既存部品のコストダウン、新規部品の工法検討、量産を見据えた加工方法の選定など、お困りのことがございましたらお気軽にお問い合わせください。
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監修者

- 取締役社長
中 保博
昭和軽金属はアルミの加工だけにとどまらないご相談を大切にしています。
設計通りに加工することは簡単です。
その背景にある、お客さまがアルミを加工したい目的はなにか、どのようなカタチで最終品として使われるのか、どうしたら便利に利用されるか。
アルミ加工+「X」を考えてお話することで、お客さまや消費者さまの「!」を生み出します。