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2026.10.5NEW
アルミ部品を軽量化する10の方法|強度を保ちながら重量を減らす設計・加工のポイント
アルミ部品を軽量化する10の方法|強度を保ちながら重量を減らす設計・加工のポイント
「製品をもっと軽くしたい」
「すでにアルミを使っているけれど、さらに軽量化できないだろうか」
「強度を落とさずに部品の重量を減らしたい」
「軽量化とコストダウンを同時に実現したい」
自動車、輸送機器、産業機械、電子機器などの設計・開発では、部品の軽量化が重要なテーマになることがあります。
アルミニウムは鉄や銅などと比較して軽量な金属であるため、鉄部品からアルミ部品への変更そのものが軽量化の代表的な方法です。
しかし、
「アルミに変えたから、これ以上軽くできない」
とは限りません。
すでにアルミを使用している部品でも、
肉厚
形状
材質
加工方法
部品点数
必要強度
などを見直すことで、さらに軽量化できる可能性があります。
特に重要なのは、単純に材料を薄くしたり削ったりすることではありません。
必要な強度・剛性・耐久性・機能を確保しながら、
「どこに材料が本当に必要なのか」を見直すことです。
今回は、アルミ加工を扱う昭和軽金属工業の視点から、アルミ部品を軽量化する10の方法を紹介します。
1.肉厚を見直して薄肉化する
アルミ部品を軽量化する方法として、まず検討したいのが肉厚の見直しです。
例えば、現在5mmの肉厚で設計されている部品があるとします。
その5mmは、
強度計算から必要と判断された厚さなのか。
以前の製品を踏襲しただけなのか。
加工上の都合で設定された厚さなのか。
ここを確認することが重要です。
部品の重量は、使用する材料の体積に比例します。
したがって、機能上不要な部分の肉厚を減らすことができれば、その分だけ重量を減らせます。
ただし、
「軽くしたいから、とにかく薄くする」
という考え方は避ける必要があります。
肉厚を減らせば、
強度低下
剛性低下
変形
振動
破損
などにつながる可能性があります。
重要なのは、必要な強度を確保できる範囲で薄くすることです。
昭和軽金属工業のインパクト加工では、薄肉で深さのある形状を一工程で成形でき、底厚と壁厚を変える設計も可能です。
部品全体を同じ厚さにするのではなく、
強度が必要な部分は厚く、不要な部分は薄くする。
この考え方が軽量設計の第一歩です。

2.中実部品を中空化する
次に検討したいのが中空化です。
例えば、現在アルミ丸棒から切削している部品があるとします。
中心部分が機能的に必要でなければ、その部分を中空にすることで大きく重量を減らせる場合があります。
代表的なのが、
シャフト
スペーサー
カラー
ケース
ハウジング
筒状部品
などです。
「中実である必要が本当にあるのか?」
を確認してみてください。
特にケース形状をアルミブロックから削り出している場合、
厚い材料を購入して、中をほとんど削って捨てる
という加工になっていることがあります。
その場合、軽量化だけでなく材料歩留まりの面でも見直す余地があります。
昭和軽金属工業でも、完成品重量だけではなく「投入重量」を確認し、完成形に近い素材や成形加工への変更を検討することを提案しています
3.肉抜き・穴・ポケットを設ける
部品全体を薄くできない場合には、
強度への影響が少ない部分だけ材料を取り除く方法があります。
例えば、
肉抜き穴
ポケット
スリット
凹部
などです。
外周部や取付部分には十分な材料を残しながら、負荷が小さい中央部分などを肉抜きすることで軽量化します。
機械部品ではよく使われる方法です。
ただし、穴を増やせば必ず良いわけではありません。
肉抜きによって、
応力が集中する
振動特性が変わる
剛性が低下する
加工工程が増える
可能性もあります。
また、軽量化のために多数の切削ポケットを追加すると、
重量は減ったものの加工時間とコストが大幅に増えたということも考えられます。
したがって、
重量・強度・加工コストの3つを同時に考える
ことが重要です。
4.リブ・ビードを使って「薄くても強い形」にする
軽量化というと「材料を減らす」ことばかり考えがちですが、もう一つ重要なのが、
形状によって強度や剛性を持たせる
という考え方です。
例えば薄い板をそのまま使用すると曲がりやすくても、
リブ
ビード
曲げ
段差
などを設けることで、必要な剛性を確保できる場合があります。
つまり、
厚い平面 → 薄い材料+補強形状
へ変更する考え方です。
昭和軽金属工業のインパクト加工では、側面へのビードや溝などの断面形状も検討できます。
こうした形状をうまく利用できれば、
肉厚を減らす
↓
リブやビードで補強する
↓
必要な機能を確保する
という軽量設計が可能になる場合があります。

5.材質を見直す
同じ「アルミ」でも、すべて同じ特性ではありません。
アルミには、
A1050
A1100
A5052
A6061
A6063
A2017
A7075
など、多くの合金があります。
それぞれ、
強度
加工性
成形性
切削性
溶接性
耐食性
などが異なります。
そのため、現在の材質をそのまま使うことだけが正解とは限りません。
例えば、必要な強度をより高い強度特性を持つ材料で確保し、設計上の肉厚を減らせるケースも考えられます。
ただし、「高強度材に変えれば必ず軽くできる」という単純な話ではありません。
材質変更によって、
成形しにくくなる
溶接条件が変わる
表面処理条件が変わる
材料費が上がる
場合があります。
したがって材質は、
重量だけではなく、加工方法や用途まで含めて選ぶ
ことが重要です。
6.切削加工からインパクト加工へ変更する
薄肉・中空・ケース形状などでは、加工方法そのものを変更することで軽量化できる場合があります。
特に検討したいのが
アルミインパクト加工です。
インパクト加工とは、アルミ素材に瞬間的に大きな力を加え、冷間状態で塑性変形させる加工方法です。
昭和軽金属工業では、薄肉で深さのある形状を一工程で成形でき、継ぎ目のない一体形状も形成できると説明しています。
例えば従来、
アルミブロック
↓
外径切削
↓
内径切削
↓
底部加工
↓
仕上げ
としていたケース部品を、
アルミ素材
↓
インパクト成形
↓
必要部分のみ追加工
へ変更できる場合があります。
インパクト加工では、薄肉化だけでなく、冷間で大きな加工ひずみを与えることで加工硬化が起こり、条件によっては機械的強度の向上を利用して薄肉化につなげられることもあります。昭和軽金属工業では、従来品より軽量化できた実績も紹介しています。
ただし、インパクト加工には形状・材質・数量などの適性があります。
すべての部品をインパクト加工にすれば軽くなるわけではありません。
薄肉、深さがある、中空、底付きケースなどの条件が当てはまる場合に、特に検討価値があります。

7.複数部品を一体化する
意外に見落とされやすい軽量化方法が、
部品点数を減らすことです。
例えば、
ケース
+底板
+補強部品
+接合部品
という4部品で構成している製品を、
ケース+底部を一体成形
できれば、接合に必要な材料や部品を減らせる可能性があります。
さらに、
ボルト
ナット
ワッシャー
溶接代
重ね代
なども減らせる場合があります。
すると、
部品そのものの重量だけでなく、
組立工数
溶接工程
部品管理
在庫管理
まで減らせる可能性があります。
特にインパクト加工は、底付き筒形状やケースなどを一体成形できる点が特徴です。
軽量化では、
「一つの部品をどう軽くするか」だけでなく、「そもそも何部品必要なのか」
まで考えることが重要です。
8.接合方法を見直す
複数部品を使用する必要がある場合には、接合部分にも軽量化の余地があります。
例えば、
厚いフランジを設けてボルト締結している
多数のボルトやナットを使っている
溶接のために大きな重ね代を設けている
といった製品です。
接合方法を見直すことで、
フランジを小さくする
ボルト本数を減らす
重ね代を減らす
一体化できる部分を増やす
などが可能になる場合があります。
ただし接合部分は安全性や耐久性に直結します。
軽量化だけを目的に安易に変更するのではなく、
必要な荷重・耐久性・使用環境を確認したうえで検討することが重要です。
9.「全部切削する」という前提を見直す
すでにアルミを使用していても、加工方法によっては軽量化の余地を残している場合があります。
例えば厚いアルミブロックから、
外側を削る
内側を削る
穴を開ける
ポケットを削る
という方法で製品を作っているケースです。
切削加工は高精度で自由度の高い優れた加工方法ですが、大量の材料を削る形状では材料ロスや加工時間が増えます。昭和軽金属工業でも、すべてを切削するのではなく、インパクト加工や絞り加工などで完成形に近づけ、高精度が必要な部分だけ切削する考え方を紹介しています。
つまり、
成形+切削
という方法です。
例えば、
ケース部分 → インパクト加工
取付穴 → 切削
ねじ部 → 切削
高精度な嵌合部 → 切削
と役割を分けます。
こうすることで、薄肉化しやすいところは成形で薄くし、精度が必要なところだけ切削のメリットを活かせます。
「切削か成形か」の二択ではなく、
それぞれの得意なところを組み合わせる
ことも、軽量化を考えるうえで重要です。

10.図面完成前に加工会社へ相談する
最後の方法は、加工技術そのものではありません。
しかし実際の軽量化では非常に重要です。
それが、
図面を完全に仕上げる前に加工会社へ相談すること
です。
図面完成後に、
「この部品を20%軽くしてください」
と言われても、
外形寸法
取付位置
材質
肉厚
公差
加工方法
がすべて固定されていれば、変更できる範囲は限られます。
一方、設計初期なら、
材質を変える
肉厚を変える
Rを変更する
中空化する
リブを追加する
部品を一体化する
加工方法を変更する
など、多くの選択肢があります。
昭和軽金属工業では、加工方法まで決めてから依頼する必要はなく、図面段階からプレス、絞り、インパクト加工、切削、板金、溶接、表面処理などを含めた工法相談を受けています。
軽量化したいのであれば、
「この図面を作ってください」
ではなく、
「この部品をもっと軽くする方法はありませんか?」
という相談の仕方も有効です。
軽量化するとコストも下がる?
軽量化には、コストダウンにつながる可能性もあります。
例えば、
材料使用量が減る
切削量が減る
加工時間が短くなる
部品点数が減る
輸送重量が減る
などです。
しかし、
軽量化=必ずコストダウンではありません。
複雑な肉抜きを増やした結果、切削時間が長くなることもあります。
高価な材料へ変更した結果、材料費が上がることもあります。
新しい成形方法へ変更すれば、金型費が必要になる場合もあります。
したがって、
重量だけを最小化するのではなく、重量・強度・加工費・材料費・量産数量を総合して判断する
ことが大切です。
昭和軽金属工業でも、加工方法は形状と生産数量を含めて判断することが重要と説明しています。
何%軽くできるかは製品ごとに違う
「アルミ部品は何%軽量化できますか?」
という質問に、一律の数字で答えることはできません。
例えば、
もともと肉厚が十分に最適化されている部品と、
必要以上に厚く設計された部品では、
軽量化できる余地がまったく違います。
同じように、
中実部品
薄肉ケース
切削部品
板金部品
一体成形品
でも条件は異なります。
そのため、
「10%軽くしたいから10%薄くする」
という考え方ではなく、
現在の重量
使用箇所
荷重
必要強度
現在の材質
加工方法
生産数量
を確認したうえで、軽量化できる場所を探します。
アルミ部品の軽量化で確認したいチェックポイント
アルミ部品をもっと軽くしたい場合は、まず次の10項目を確認してみてください。
1,現在の肉厚は本当に必要か
2,中実である必要があるか
3,肉抜きできる部分はないか
4,リブやビードで薄肉化できないか
5,材質を見直せないか
6,インパクト加工など別工法へ変更できないか
7,複数部品を一体化できないか
8,接合部の重量を減らせないか
9,全切削ではなく成形+切削にできないか
10,図面確定前に加工会社へ相談したか
一つだけでは大きな効果がなくても、複数の方法を組み合わせることで軽量化につながることがあります。
アルミ部品の軽量化なら昭和軽金属工業へご相談ください
アルミ部品の軽量化で重要なのは、
「どこを削るか」だけを考えないことです。
肉厚を変える。
中空化する。
形状で強度を持たせる。
材質を見直す。
加工方法を変える。
複数部品を一体化する。
こうした方法を組み合わせることで、必要な性能を保ちながら重量を減らせる可能性があります。
昭和軽金属工業株式会社では、インパクト加工を中心に、切削、プレス、絞り、板金、溶接など、製品仕様や数量に合わせて複数の工法を検討しています。
「今のアルミ部品をもっと軽くしたい」
「強度を保ったまま薄肉化できないか」
「鉄部品をアルミへ変更したい」
「切削品をインパクト加工に変更できる?」
「複数部品を一体化できないか」
「軽量化とコストダウンを両立したい」
そんな段階からご相談ください。
すでに完成している図面だけでなく、
設計段階から加工方法を検討することで、軽量化の選択肢は広がります。
今ある図面をそのまま加工するだけではなく、
「この部品、もっと軽くできませんか?」
その一言から、アルミ部品の作り方そのものを見直してみませんか。
昭和軽金属工業株式会社 公式サイト
既存部品のコストダウン、新規部品の工法検討、量産を見据えた加工方法の選定など、お困りのことがございましたらお気軽にお問い合わせください。
【お問い合わせ】
監修者

- 取締役社長
中 保博
昭和軽金属はアルミの加工だけにとどまらないご相談を大切にしています。
設計通りに加工することは簡単です。
その背景にある、お客さまがアルミを加工したい目的はなにか、どのようなカタチで最終品として使われるのか、どうしたら便利に利用されるか。
アルミ加工+「X」を考えてお話することで、お客さまや消費者さまの「!」を生み出します。