アルミのお役立ち情報
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2026.7.4NEW
アルミ部品の材料費を抑えて製作するには?
アルミ価格の変動が続く中、製品の品質を維持しながら材料費を抑えることは、多くの製造業にとって重要な課題となっています。
実は、材料費の削減は「安い材料を選ぶ」だけではありません。部品形状や加工方法、材料歩留まりを見直すことで、品質を維持したままコストダウンを実現できるケースも数多くあります。
本記事では、アルミ部品の材料費を抑えるための具体的な方法や、設計・加工の工夫によるコスト削減のポイントをわかりやすくご紹介します。
アルミ部品の材料費を抑えて製作するには?
発注側が知っておきたいコストダウンのポイントを徹底解説
近年、アルミ材料価格の上昇が続いています。
製造業では、以前と同じ図面・同じ仕様で発注していても、材料費や加工費が大きく上昇するケースが増えています。
特にアルミは、軽量・耐食性・加工性に優れる一方で、国際相場やエネルギー価格の影響を受けやすい材料です。
そのため、部品調達を行う企業にとって「どうやってコストを抑えるか」は非常に重要な課題となっています。
しかし実際には、
・「とりあえず相見積を増やす」
・「単価交渉だけを行う」
・「もっと安くできませんかと相談する」
だけでは、大きな改善につながらないケースも少なくありません。
本当に重要なのは、発注側が材料や加工の仕組みを理解し、設計段階からコストを意識することです。
今回は、発注側の立場から見た「アルミ部品の材料費を抑えるための考え方」について、製造現場の視点も交えながら詳しく解説します。
なぜアルミ材料価格は上昇しているのか
まず理解しておきたいのが、アルミ市場の背景です。
アルミは製造時に大量の電力を使用するため、電気料金やエネルギー価格の影響を大きく受けます。
さらに近年は、
・円安
・海外輸送費の高騰
・中国の生産調整
・世界的な脱炭素化
・地政学リスク
などの影響により、アルミ価格が不安定な状況になっています。
日本ではアルミ新地金の多くを海外輸入に依存しているため、国際相場の影響を直接受けやすい特徴があります。
つまり現在の調達では、「材料価格が上がる前提」で考える必要があります。
その中で重要になるのが、「材料をいかに無駄なく使うか」という考え方です。
発注側が最初に考えるべきこと
コストダウンというと、多くの方は「加工単価」に注目します。
しかし実際には、アルミ部品のコストは、
・材料費
・加工費
・表面処理費
・組立費
・管理費
・輸送費
など複数の要素で構成されています。
特に近年は材料費比率が高くなっており、形状や設計によって大きく価格が変わります。
つまり、発注側が図面や仕様を少し見直すだけで、大きなコスト削減につながる場合があります。
「必要以上の品質」を見直す
発注側で非常に多いのが、「必要以上の品質要求」です。
例えば、
・不要に厳しい寸法公差
・過剰な外観品質
・必要以上の表面処理
・強度過剰設計
などです。
もちろん品質は重要ですが、実際の使用条件に対してオーバースペックになっているケースも少なくありません。
例えば、
「外から見えない部品なのに外観キズNG」
「一般構造部品なのに超高精度指定」
といった仕様は、加工時間や不良率を増やし、コスト上昇につながります。
まずは、
・本当に必要な品質なのか
・どこまで必要なのか
を整理することが重要です。
板厚の見直しで大きく変わる
アルミ部品では、板厚変更が大きなコストダウンにつながる場合があります。
例えば、
・3.0mm → 2.0mm
・5.0mm → 4.0mm
へ変更するだけでも、材料重量は大きく減少します。
量産では特に効果が大きく、年間コストに大きな差が出ます。
ただし重要なのは、単純に薄くすることではありません。
・曲げ形状追加
・リブ構造追加
・固定方法変更
などを組み合わせることで、強度を維持しながら軽量化できる場合があります。
発注側が「板厚変更は可能か」を加工メーカーへ相談することは非常に有効です。
規格サイズを意識するとコストは下がる
意外と見落とされやすいのが「材料サイズ」です。
アルミ板には標準サイズがあります。
例えば、
・1000×2000
・1219×2438
・1250×2500
などです。
この規格サイズを考慮せず設計すると、端材ロスが増えます。
例えば、
「あと5mm短ければ2個取れる」
というケースは現場で非常によくあります。
発注側が規格サイズを理解し、加工会社と相談しながら寸法を調整することで、大きなコスト削減につながります。
歩留まりを理解することが重要
アルミ加工では「歩留まり」が非常に重要です。
歩留まりとは、購入した材料のうち、製品として使用できる割合のことです。
例えば、
・10kgの材料を購入
・製品重量は5kg
の場合、歩留まりは50%です。
つまり半分は端材や切粉になります。
発注側が、
・なぜこの価格なのか
・なぜ材料費が高いのか
を理解するには、この歩留まりの考え方が重要になります。
特に切削加工では、材料の大部分を削り落とすケースもあります。
そのため、加工方法変更によって大きな改善が可能になる場合があります。
切削加工だけにこだわらない
アルミ部品というと、切削加工をイメージする方も多いですが、実際には他にも多くの加工方法があります。
例えば、
・板金加工
・押出材加工
・ダイカスト
・鍛造
・プレス加工
などです。
切削加工は自由度が高い反面、材料ロスが大きくなりやすい特徴があります。
例えば、厚いブロック材から薄い形状を削り出す場合、多くの部分が切粉になります。
そのため、
「本当に削り出しが必要か?」
を見直すことで、コストを大きく下げられるケースがあります。
鍛造加工を検討する
アルミ材のインパクト加工とは、アルミ材料を強い圧力で塑性変形させて成形する加工方法であり、材料を無駄なく使用できる点が大きな特徴です。
インパクト加工では、
・必要量の材料を切断
・金型で圧縮成形
・そのまま製品形状へ近づける
ため、材料ロスが非常に少なくなります。
つまり、
「必要な量だけを使って形を作る」
という考え方に近い加工方法です。
インパクト加工は一度の加工工程で最終製品に仕上げることができ、生産のスピードアップやコスト低減の他、省資源、省エネルギーにも貢献できます。
押出材を活用する
アルミは押出加工との相性が非常に良い材料です。
断面が一定形状の部品であれば、押出材を利用することで、
・材料ロス削減
・加工時間短縮
・軽量化
が可能になります。
例えば、
・フレーム
・レール
・放熱部品
・カバー部品
などでは押出材化のメリットが大きくなります。
発注側が「押出材で対応可能か」を相談することで、コスト改善につながる場合があります。
部品点数削減は非常に効果が大きい
部品点数が多いと、
・材料費
・溶接費
・組立費
・管理工数
が増加します。
そのため、一体化設計によるコストダウンは非常に有効です。
例えば、
・3部品を1部品化
・溶接レス化
・ネジ削減
などによって、大幅な改善が可能になります。
特にアルミは、
・曲げ加工
・溶接
・絞り加工
との相性が良いため、一体化設計がしやすい材料です。
公差を厳しくしすぎない
図面で非常に多いのが、「全箇所高精度指定」です。
しかし実際には、
・重要箇所
・一般箇所
を分けるだけでもコストは変わります。
不要に厳しい公差は、
・加工時間増加
・不良率増加
・測定工数増加
につながります。
必要な部分だけ精度を厳しくすることが重要です。
表面処理仕様も見直す
アルミ部品では、
・アルマイト
・塗装
・化成処理
などが行われます。
しかし、
・全面処理が必要か
・外観品質は必要か
・膜厚は適切か
を見直すことでコスト削減できる場合があります。
例えば、
「見える部分だけ外観重視」
にするだけでも改善できるケースがあります。
小ロットは金型費に注意
小ロット生産では、金型費が大きな負担になります。
そのため、
・レーザー加工
・タレパン加工
・簡易治具
などを利用することで、初期費用を抑えられる場合があります。
発注側は、
「量産前提なのか」
「試作なのか」
を明確に伝えることが重要です。
相見積だけでは限界がある
価格を下げるために相見積を行う企業は多いですが、単純な価格競争だけでは限界があります。
なぜなら、
・材料価格
・電気代
・人件費
などは各社共通で上昇しているためです。
そのため今後は、
「どう作れば安くなるか」
を加工メーカーと一緒に考えることが重要になります。
加工会社との相談が最も重要
実際、最も効果的なコストダウンは、
「加工会社への早期相談」
です。
加工現場では、
・この形状なら安くできる
・この寸法なら歩留まりが良い
・この加工方法の方が効率的
といったノウハウを持っています。
しかし、完成図面だけ渡して価格だけを比較すると、その改善提案ができません。
発注側が早い段階から相談することで、
・材料費削減
・工程削減
・納期短縮
まで実現できる場合があります。
今後のアルミ調達で重要になること
今後はさらに、
・脱炭素
・リサイクル
・軽量化
・省エネルギー
が重要になります。
その中で、
・再生アルミ活用
・材料ロス削減
・工程削減
を含めた「総合的なコスト最適化」が求められる時代になっています。
単純に「安く買う」だけではなく、
「無駄なく作る」
という考え方が、これからの調達には必要です。
まとめ
アルミ部品の材料費を抑えるには、発注側の考え方が非常に重要です。
特に、
・必要以上の品質を見直す
・板厚を最適化する
・規格サイズを意識する
・加工方法を見直す
・部品点数を減らす
・加工会社へ早期相談する
といった取り組みが、大きなコストダウンにつながります。
価格交渉だけでは限界がある時代だからこそ、
「どう作れば無駄なく安くできるか」
を発注側と加工側が一緒に考えることが、今後ますます重要になっていくでしょう。
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監修者

- 取締役社長
中 保博
昭和軽金属はアルミの加工だけにとどまらないご相談を大切にしています。
設計通りに加工することは簡単です。
その背景にある、お客さまがアルミを加工したい目的はなにか、どのようなカタチで最終品として使われるのか、どうしたら便利に利用されるか。
アルミ加工+「X」を考えてお話することで、お客さまや消費者さまの「!」を生み出します。