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2024.2.26

アルミニウムの合金番号(記号)の読み方

 

一般的に使用されている『アルミニウム』と呼ばれている金属は、アルミニウム合金であることがほとんどです。純アルミニウムは99%以上がアルミニウムでできており、アルミニウム合金は、アルミニウムに様々な金属元素を添加して、性質を変化させたものです。
このアルミニウム合金には、JIS 規格で記号がつけられています。この記号によって、合金の種類、材料形状、質別などが一目でわかるようになっています。

そこで今回は、この合金番号(記号)の読み方について解説します。

 

【アルミニウムの合金番号(記号)の読み方】

 

*1文字目*材料を表す記号

1文字目のアルファベットは、材料を表しています。

アルミニウムおよびアルミニウム合金の場合は、アルミニウムを表す「A」が使われます。

 

*2文字目*合金を表す番号

JISのアルミニウム合金の種類を表わす記号は4桁の数字で表わされます。

1桁目は系統(種類)を表しています。

 

 

 

*3文字目*アルミニウム制定順位(不純物$関する規制)を表す番号

2桁目は制定順位を0~9の数字で表しています。

純アルミニウムの場合は、不純物について特別の規制がないので『0』で表されます。

日本独自の合金や「AA(アメリカ・アルミニウム協会)」の規格以外の合金の場合は、数字ではなく『N』で表します。

 

 

*4・5文字目*純度や合金数字を表す番号

合金の系統(種類)が1(純アルミニウム)の場合、アルミ純度を小数点以下2桁で表します。

2(アルミニウム合金)以上の場合は旧アルコア規格呼称の合金数字で表します。

 

 

 

*6文字目(もしくは6・7文字目)*材料の形状を表す記号と等級記号

6文字目は、板、形材、管などの形状を表わす記号です。1文字の場合と2文字の場合があります。

その中で、管、棒、線、導体については、同一種類のものであっても、寸法許容差の程度により普通級と特殊級の2等級に分けられており、特殊級の場合にはSをつけて表されます。

 

 

 

*7~10文字目(もしくは8~11文字目)*質別(調質の種類)を表す記号

冷間加工や熱処理によって、展伸材の強度や成形性などについて所定の性能を得ることを『調質』といいます。

この調質の種類を『質別』といい、これをアルファベットと数字で表します。

 

H●●、T●●の●部分には個別の数字が入ります。

Hは非熱処理合金に対して用いられる記号で、加工硬化処理を表します。

材料にあたえる冷間加工の度合いで、機械的性質を調整する場合に付けられます。

末尾の数字は加工硬度の程度を示しており、8は硬質材、4は0と硬質材の中間(½硬化)の加工硬化状態、2、6はそれぞれ0と½硬質、½硬質と硬質の中間の加工硬化状態であることを示しています。
Tは熱処理を表します。

 

 

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監修者

  • 取締役社長

中 保博

昭和軽金属はアルミの加工だけにとどまらないご相談を大切にしています。
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